マペットの第一人者フランク・オズ監督作品ということでちょっと気になっていたのですが、時間がなくて半分あきらめていたコメディ作品を見てきました。
フランク・オズ監督作品といえば「リトルショップオブホラーズ」以来となります。
今回の作品、あの「リトルショップオブホラーズ」のコメディタッチがそのままでした。ちょっとお下品なシーンも交え、今ひとつ笑えない一歩手前のギャグがこれでもかと登場します。その面白さがある意味フランク・オズの個性なのですが、久しぶりに出会ったこのギャグは正直最初は入りきれませんでした。でもエンディングのほんのわずかのシーンでこの作品がすごく優れたものではなかったかと感じてしまいました。
まるで世界の縮図なのです。父に反対されている恋人たちがいて、薬でハイになる若者がいて、兄弟の確執があり、中途半端でいけ好かないプレイボーイがいるかと思うと気難しい老人がいて、現実的すぎる女性がいる。一見、葬式に集まってきた人たちの群像劇のようで、よく見ると本当に世界が小さくなってこの一軒の家に集まっているのです。しかも信じていた故人である父親は実はゲイだったなんていうどんでん返しまである。しかもそれをネタにゆすりにくる人間までいるのだから、これはもう現代の縮図なのだ。
タイトルがおしゃれである。棺の形のアニメが順番に地図の道を進み、やがて一軒の家に入るところでお話がスタート。
あとはドタバタがいかにもフランク・オズらしい展開で繰り返され、そしてラスト主人公ダニエル(マシュー・マクファディン)の弔辞で、いままでのそれぞれのドタバタがそれぞれの体裁を繕う中での出来事で、ありのままに故人を敬い、尊敬することが一番だと締めくくる。このラストの演説が本当にこの作品を一気に一級品にしてくれるのである。
意外にいい映画だった。期待以上に奥の深い作品だった。そういう印象がぴったりの映画でした