くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「レポゼッション・メン」「エデンの東」「彼女について私が

レポゼッションメン

レポゼッション・メン
ジュード・ロウもフォレスト・ウィテガーも時々とんでもない映画にでる。そんな一本がこのB級のSF映画。
近未来、すべての臓器が機械的に作られるようになった時代、高額の臓器をローンで手に入れたはいいが、返済できず、回収屋(レポメン)に無理矢理臓器をえぐり取られてしまう世界の物語。
主人公は当然、その回収屋である。

廃墟のようなビル群のショットから映画が始まります。ゆっくりとカメラがとあるビルの一室へ。そこで半裸でタイプを打っているレミージュード・ロウ)。
回想のように始まったのかと思いきや、すぐに展開はリアルタイムになります。
相棒はまた凄腕の回収屋ジェイク(フォレスト・ウィテガー)。この二人の回収シーンおスピーディさと、アクションのおもしろさはある意味この映画の見所です。しかし、その後の臓器をえぐり取る場面はかなりリアルで、ちょっといただけない。

一方でジェイクの妻はそういう夫の仕事に耐えられず、販売部門へ変わるよう説得、しかし、収入が全く違う回収の仕事からなかなか足を洗えなく、とうとう妻はでていく。満を期したレミーは次の仕事を最後に回収屋をやめるとジェイクに話す。そして最後の仕事で、電気器具のショートでレミー自身が機械の心臓をつけることになってしまい、その後、回収の仕事を躊躇してしまうようになって、自分が回収のターゲットになっていくサスペンスへ物語は進んでいきます。

ジェイクに追いつめられ、あわやというところで逃げたレミーは、同じく逃げている女性と自分たちのデータを消すためにUNION本社へ。そしてハッピーエンドかと思いきや、実は危うく逃げたと思われたレミーは、その時点でジェイクに頭を破壊されていて、人工の脳を埋め込まれ、夢の中にいるというエンディングで映画が幕を閉じます。
まさに、SF映画の基本のようなたわいのない展開と、エンディングですが、こういうのはやはり男の子としては楽しめる一本なのですよね。


エデンの東
30数年ぶりでしょうか?やはりラストシーンには泣いてしまいました。
膨大な原作を見事に切り取った、まさに小説を映画にするときの教科書のような作品ですね。
でだしから、ストーリー展開の中でこれでもかというほど主人公キャルの心が抑圧され、そしてクライマックスで一気に爆発、そのあとのエンディングでの開放感のすばらしさは絶品。

さすがに30年以上たつと、忘れているシーンも多々ありましたが、美しい花畑をバックにキャルとエイブラとの会話シーンや父とキャルとの確執の場面の斜めのカメラアングルなどが地割りと思い起こされてきて、懐かしい感度もひとしおでした。


彼女について私が知っている二、三の事柄
ジャン・リュック・ゴダールが主婦売春をドキュメンタリータッチで描いた作品であるが、最初からストーリーが全然読めなくて、退屈な映画でした。
もちろん、そのあたりの理解力や感性が私には備わっていないのかもしれませんが、導入部は疲れもあってか眠くてたまりませんでした。


ゴダールのマリア
アンヌ=マリー・ミエヴィル の「マリアの本」と ジャン=リュック・ゴダールの「こんにちは、マリア」の二本をつないだ作品である。
非常に美しい構図と画面で、フランス映画らしい色彩美術を施した映画でした。
ただ、処女受胎をテーマにした「こんにちは、マリア」はどうもそのテーマに入り込めず、しまいにはうっとうしくなってしまって参りました。「マリアの本」は軽やかな夫婦と子供の物語でしたが、たわいのない物語故によけいにさりげなく見終わったという感じの作品でした。

いずれにせよ、個人的に好みの映画ではなかったのですが、登場する女性たちが何とも愛くるしくかわいらしいのが収穫だったでしょうか。