原作のあるミステリーであり、中田秀夫監督作品、しかも綾瀬はるか、石原さとみ、藤原竜也などそうそうたるキャストを従えてホリプロ50周年企画と言うことで期待も半分あったのだが、何とも平凡な作品でした。
しかも、原作の欠点か、脚本の欠点か、穴だらけのミステリーでつっこみどころが余りにも目立ちすぎる。しかも映像にこれといって斬新さもない。キャストの存在感も伝わってこないほど軽い演出が何とも歯がゆい映画でした。
物語は、宣伝フィルムの歌い文句通り時給112000円という高額なバイト、もちろん、いかがわしいものなのだが、いわゆる心理状態をチェックする実験台にでもなるのだろう程度に集められた10人の人々。舞台の部屋には10人のインディアンの人形、それぞれの部屋には有名なミステリーで使われた凶器が忍ばせてある。
結局、これを企画した暗鬼館機構というのが背後にあり、この非現実邸な建物に集まった10人がお互いに疑心暗鬼になりながら殺し合いをすると言うありきたりなミステリーである。このストーリー展開はこの物語の欠点ですね。しかも、ラストシーンの種明かしで、実はメンバーの一人であった綾瀬はるかが機構のスタッフで、このドラマをネット配信してアクセスを稼ぐ担当であるという落ち。
北大路欣也も必死で生き残る。藤原竜也はなぜか生き残る。どのキャストにも今一つ魅力がない。だから物語がおもしろくないのだ。
正直この映画もテレビの「世にも奇妙な物語」の一エピソードでも十分な内容であった。やはり、映画にするなら映像としてのオリジナリティが必要であると思う。残念な作品をまた出くわしてしまいました。