子供の頃に見て、何度かDVDなどでも見ている作品であるが、改めてスクリーンで見直して、その美しい美術、卓越した演出、そしてこんなにおもしろかったかと今更ながら感動してしまいました。
物語は例のごとく、悪どい大名が隣国を攻めるために木こりたちをさらってきて森の奥になにやら巨大な城塞を作っている。父親を助けるために魔神の山を抜けていく子供たちの物語が中心になるが、このシリーズの特徴として子供が苦難に遭い命を投げ出そうとすると今まで静かだった魔神が動き始める。
今回、魔神の仮の姿としての鷹の活躍がわくわくするおもしろさを生み出し、さらに吹雪の雪の中から輝く光の吹雪の中から現れる魔神の美しいこと。白と金色のコラボレーションが生む荘厳なイメージはまさに西岡義信の美術のなせる技だろう。
城塞を次々と破壊する魔神の姿を前に、横に見上げてとらえる様々なカットの繰り返しが、一方で存在する特撮映画の傑作「ゴジラ」や当時海外でどんどん作られた壮大なスペクタクルを売り物にするハリウッド史劇などの向こうを張るだけに十分な演出力だったと思います。
四人の子供たちのうち途中で川に流される一人は結局命を落としたままで、単純に子供映画に仕上げなかったのはこの作品の質をあげているといえますね。
まぁそんなことより、やっぱり大魔神はおもしろい。それでいい気がします