くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「風吹く良き日」

風吹く良き日

先日見た「鯨とり」と同じイ・チャンホ監督作品である。
荒削りで韓国映画らしい幼稚さは多々見られるが、三人の若者たちのがむしゃらに生きるひたむきさを描いた点では「鯨とり」同様、なかなか評価される作品だったように思います。

映画が始まると単純なアニメで三人の若者が集まってきて寄り添って始まります。
時は1980年代、日本同様、土地バブル真っ最中の韓国ソウル。都会へでてきたものの金が無くて必死で生きる若者たち。

一人はせっせとお金を貯めてホテルのオーナーを夢見、一人は理容室で独立するためにがんばっている。しかし、恋人は成金の男の女になって彼から去ってしまう。
一人は都会での世渡りの必要からどもるようになり、たまたま出会った金持ち女に翻弄されてしまう。

そんな三人三様の若者たちの周りの人々の姿、当時の世相などもバイタリティあふれる演出でどんどん物語を進めていくイ・チャンホ監督の手法は、冒頭、なにy等人物さえもわからなかったが次第に引き込まれる魅力もある。

しかし、それぞれが目標を失いかけたとき、一人は徴兵され、一人は成金男を傷つけて刑務所へ、主人公はボクシングを習って練習試合でがむしゃらに打ち合って倒れる。

結局それぞれがそれぞれの分かれ道にさしかかりバラバラになるが、また会うことを約束して終わる。
雑な映画ではあるが、不思議なリズムのある好感のもてる一本でした。ファンになるほど秀でた作風でも、秀作でもありませんが、そんなにつまらない一本でもありませんでした。