「ジプシーのとき」
久しぶりに間違えて二度目の鑑賞になったのですが、やはり、傑作は傑作、何度見ても素晴らしい映画だった。監督はエミール・クストリッツァです。
ファンタジックな映像とまるで夢を見ているような叙情あふれるジプシーの家族の物語は、普段関わらない世界にも関わらず、その夢のような世界に引き込まれてしまいます。こういう名作は語り継がれるべきだし、何度も見直すべき映画だろうと思います。良かった。本当に良かった。
「パーティで女の子に話しかけるには」
原作がある物語なので、どこまでがオリジナル部分かわからないけれど、ジョン・キャメロン・ミッチェル監督の感性が現代について行っていないようなちぐはぐ感が最後まで気になる映画だった。しかも、いやおそらくですが、主人公のエンと異星人らしいザンとの悲恋物語なのだろうが、ザンが魅力のあるキュートな女性に見えない。そのために物語に感情移入できなかった。
主人公のエンたちがパンクロックのパーティの帰り、とある家で催していた奇妙なホームパーティに潜入、そこでエンは不思議な魅力のあるザンという少女に出会う。
ところがこのザンが、それほどミステリアスな魅力がないので、話が嘘っぽくて仕方ない。エル・ファニングなので、もっと演技ができるはずなのだが引き出せていない。しかも、そのあと2人は恋に落ち、一方ザンは48時間以内に帰らなければならないというよくわからない設定がされているのとそれとは裏腹の 食べられるという儀式の意味も伝わりきらない。
ジョン・キャメロン・ミッチェルのサイケな演出も今ひとつインパクトに欠けるし、それがかえって作品を盛り上げてこないためにどんどん失速。
結局ラストの青春ドラマの幕切れのようなエピローグが浮いたようになってしまった。何とも面白くない映画、そんな感想だけが残りました。