「デス・ウィッシュ」
オリジナルの「狼よさらば」はテレビでしか見たことがありませんが、やはりチャールズ・ブロンソンのアクの強さはブルース・ウィリスでは物足りなかった。でも、普通にアクション映画として面白かったからよしとしましょう。監督はイーライ・ロス。
シカゴの街で警官が撃たれ搬送されるシーンがスピーディに描かれて映画が始まる。担ぎ込まれたのはポール・カージーが医師をしている病院。警官は死亡、この町の犯罪の現状をまず的確に見せる。
ポールの娘と妻の幸せそのもののシーンが続き、彼らを密かにターゲットにする悪者らしき男たちの影が描かれる。そして、夜、ポールが不在の日に、妻と娘二人だけの家に強盗が押し入り、金だけ取るつもりが娘の抵抗に遭い、妻と娘が撃たれてしまう。
ポールの病院に担ぎ込まれたが、妻は死亡、娘は昏睡状態となる。ポールはなかなか犯人が捕まらないのに業を煮やし、自ら夜の街で犯罪者を罰し始める。もちろん、最終目標は妻を殺した犯人である。このポールが立ち上がる動機付けがいかにも弱く、すでにある原作通りの段取りで進むのが少し不自然。
夜の街で犯罪者を罰していくくだりが市民から支持を集めるが、この辺りも実に弱い。1974年のオリジナルの頃と違い、インターネットの普及もあるのかもしれない。
やがて、ターゲットの手がかりを掴み、一人また一人倒していく。一方警察も、犯罪者を罰している死神と呼ばれもてはやされる男の正体に近づきそうで近づかず、突然、ポールが容疑者に上がるものの確証がない。この辺の脚本がちょっと甘いので、なんでポールが捕まらないのかと思い始めてしまう。
やがて最後の一人と銃撃になるが、怪我させただけで、自分も撃たれ、病院へ。そこへ、ターゲットの男も搬送される。ポールの娘の意識が戻り、自宅に戻るが、犯人は口封じのため家にやってくる。それを迎え撃つポールとの銃撃戦がクライマックス。
やがて侵入してきた三人を返り討ちにし、警察が来るが、ポールを逮捕せず、真実がわかっていながらも目を瞑るラストとなる。
原作の面白い部分のエッセンスのみ取り上げた仕上がりになっているので、エピソード集のように展開していくが、それなりにスピーディの楽しめました。