「恐怖に襲われた街」
えっ?爆弾はどうなったの?という大ボケのラストシーンに大笑いしてしまった。殆どが主人公ルテリエが犯人を追いかけていくシーンで、そのどれもがスタントなしでやったというアクションシーンの連続で、それだけで魅せる作品。もちろん謎解き的な展開もあるが、最初のカットで大体この人が犯人とわかる場面になっているのもかなり雑。まあ、こういうのもあるよね。監督はアンリ・ベルヌイユ
一人の女性が部屋にいると男から電話がかかってきて、今から行くという。何度も脅されてきたようで、玄関のチャイムが鳴り、恐怖に怯えた女は窓から落ちてしまう。玄関に来た男は隣の部屋に来たただの客だった。
刑事のルテリエは、かつて銀行強盗を追いかけたときに市民を巻き添えにした事件の犯人を探していた。帰ってみると、先程の事件が語られ、ミノスと呼ばれる男が警察やマスコミを挑発していた。乗り気ではないものの仕事ということでルテリエは次に狙われそうな女性を調べ始めるが、間一髪、ルテリエが向かう直前に殺されてしまう。その追跡の時に、犯人がガラス片を落とす。それをルテリエはポケットに入れ調べる。
新たな犠牲者を止めるべく、看護師のエレーヌの部屋に泊まり込むルテリエだが、病院から緊急手術と連絡が入り、エレーヌは出かける。ルテリエは病院まで送るが、なんと更衣室に犯人が待っていた。実は病院で働くピエールという義眼の男だった。そしてピエールは次のターゲットであるポルノ女優のパメラの家に押し入り時限爆弾をセットして立て籠る。
ヘリに吊るされたルテリエが、ベランダから飛び込み、ピエールを逮捕して映画は終わるが、時限爆弾はどうなったのというエンディングに笑ってしまいました。ジャン=ポール・ベルモンドの体当たりアクションを見せるだけの映画でした。
「オー!」
なんとも長く感じる映画で、ストーリーの展開や背後の音楽、登場人物それぞれが噛み合っていなくて、結局一人の男オランの儚い半生の切なさも、男の生き様も、恋人ベネディットとの悲恋も描けず終わった感じです。監督はロベール・アンリコ。
レーサーである主人公オランの事故シーンから映画が始まり五年後、彼は銀行強盗になっていた。しかし、まだまだ下っ端的に使われていたが、ボスのカンテールが銃の暴発で死んでしまう。オランは、なんとか後釜に座ろうとするが認めてもらえず、一人で車の強盗をして捕まってしまう。
刑務所に入るものの、同室のホームレスと入れ替わって早めに出所させてもらうと、娑婆ではオランの名前はアル・カポネとアルセーヌ・ルパンを混ぜてオーという愛称で有名になっていた。
オランは恋人のベネディットに会い、一方で銀行強盗を繰り返し始めるが、かつての仲間が自分らで大きな仕事をし、そんな姿を見て自分もあやかろうとネクタイを買いに行って刑事に撃たれる。
なんとかベネディットに助けてもらい自宅に金を取りに戻るが、そこにかつての仲間がいて、銃撃戦になり、駆けつけた警官隊も交えて大銃撃戦になる。ベネディットも死んでしまい、オラン一人残って逮捕されて映画は終わる。
なんとも言えない出来栄えの作品で、まとまっているようでまとまりきらず、非常に長く感じてしまいました。