くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ハード・コア」「イット・カムズ・アット・ナイト」

「ハード・コア」

原作がシュールなのだろう。なんとも言えないつかみ所のない仕上がりになっている作品でした。うまく作れば、抜きん出た映画になったかもしれませんが、いまひとつ昇華仕切れていない感じです。役者それぞれが掴み切れていないように見えますが、主演の山田孝之がプロデューサーも兼ねてるのでファンなのでしょう。監督は山下敦弘

 

主人公右近の後ろ姿から映画が始まる。とあるバーに入り、一人の大人の女と軽い会話を交わし、入ってきた若者と喧嘩をして酔いつぶれる。彼を迎えにきたのは弟で、商社マンの左近。

 

右近は牛山というほとんど喋らない男と一緒に右翼の金城という男の元で埋蔵金を掘る仕事をしている。牛山は化学工場の廃工場に住んでいるが、そこで一体のブサイクなロボットを見つける。そのロボットをロボ夫と名付ける。ロボ夫は、命令のままに穴掘りを始める。

 

ある時右近のところにきた左近はそのロボットを見て、最先端の近未来レベルのロボットだと説明する。そして、このロボットで、埋蔵金を発見してしまう。

 

一方、金城の側近の水沼が、右近に、会長が人殺しをしたからその死体を廃工場に隠すように指示する。また、左近の提案で埋蔵金を現金に換えるべく、チャイナマフィアの元に左近一人で出かけるが、消息が分からなくなり、右近はてっきり死んだと思ってしまう。

 

水沼から手榴弾などの火器を預かった右近だが、突然機動隊に囲まれる。金城は水沼に殺されていて、その罪を右近らに着せたのだ。そこでロボ夫は二人を抱きかかえ空に飛び去り、爆発したようなカットで一旦完。

 

しかし、左近は生きていて金を持って戻ってくるが、廃工場に誰もいない。シーンが変わり、どこかの島で、女性の出産に立ち会う右近と牛山のシーン。二人が海岸で座っている傍にガラクタになったロボ夫が横たわり映画が終わる。ウーン、シュールだ。しかし、何かうまく噛み合っていない感じで、どう感じていいのかわからない映画だった。

 

ロボットが最先端である説明はあるが、結局その活躍も詳細もなく、牛山のことを調べに来る探偵も出てくるが、さらっと流す。全体にキャラクターの描き方が適当なのは原作通りなのか原作が奥が深すぎて描ききれなかったか、どうにも掴めない映画でした。

 

イット・カムズ・アット・ナイト

なんだこれはというホラー映画でした。結局どれもこれも説明もないまま、といっても、何かの伏線も見えないまま、どうしようもなくなってとりあえず終わった。あっけにとられてしまいました。監督はトレイ・エドワード・シュルツ。

 

一人の老人のカット。なにやら病気のようで体に兆候が見られる。義理の息子のポールと妻サラ、息子のトラヴィスが老人を包んで、家の外に運び、殺して焼いてしまう。どうやら何かのウイルスが蔓延してるらしく、マスクをしている。家には絶対夜開けてはいけない赤い扉がある。

 

ある夜、物音がするとトラヴィスが両親を起こし、一階に行くと、一人の男ウィルがいた。まず、拘束して家の外に一晩おいたのち、詳細を聞くと、家族が離れたところにいるという。食料を持参するので一緒に住みたいと言い、ポール達も賛成、絶対赤い扉を開けない等の取り決めを守ることを条件に生活を始める。

 

ところがある晩、赤い扉が開いているとトラヴィスが言い、二つの家族は別の部屋に分かれる。しかも、ウィルらの息子が病気らしいとトラヴィスが両親に言ったこと、さらにウィルらが出て行くらしいということで、ポールは家族を守るためにウィルらを銃で脅す。そして結局、ウィルらを殺してしまうが、トラヴィスに病気の兆候が表れていた。ポールとサラが向かい合いテーブルのカットで映画は終わる。

 

つまりどういうこと?というエンディング。つまり、あの赤い扉の意味も、ウィルスなのか、ほかの何かなのかわからずじまい。つまり疑心暗鬼を生み出す病原体ということなのだろうか。怖がらせ方も特に普通だし、アイデアの斬新さも見られなかった。全然物足りない作品でした。