くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「北の桜守」

kurawan2018-03-15

北の桜守
この程度の作品でも吉永小百合主演というだけでほぼ満席になるのだから大したものである。正直、テレビスペシャル程度の仕上がりの映画だったように思います。もっと作りかたも、出しかたもあるだろうにと思うのですが、良かったのはケラリーノ・サンドロヴィッチが演出したい舞台シーンだけというのはどうなんだという出来栄えだった。監督は滝田洋二郎

物語は1945年春に始まる。樺太に桜の花が咲く。植えたのは主人公てつの夫である。時が経ち1971年、札幌でアメリカ帰りの修二郎がコンビニの前身のような店の1号店を出店する。修二郎はてつの次男である。

開店の日、網走から連絡が入り、修二郎は網走に一人住むてつのもとを訪れる。てつはよる年波に勝てず、どこかボケも入ったような風体であった。修二郎は札幌にてつを呼び寄せるが、事あるごとにトラブルを起こすてつ。

物語は修二郎が献身的に母てつを支えようとするシーンに、交互に終戦後からの苦労話が描かれて行く。そして修二郎とてつはかつて辿った道をめぐり始めるのが本編。

時々、舞台でも展開する物語が挿入される。

てつと修二郎のこれまでの足取り、修二郎の店での出来事などが何もかも中途半端に描かれ、一体何をしたいのかとさえ思ってしまう。

戦争の悲劇なのか、一人の女性の人間ドラマなのか、それとも修二郎の店の開店を通じての時の流れのお話なのか。

結局、突然てつがいなくなり2年が経ち、北の桜農園の手入れをして過ごすてつに、修二郎やかつての知り合いが会いに行って大団円。

正直、これはないだろうという映画だった。