くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「僕たちのラストステージ」「愛がなんだ」「ハンターキラー 潜行せよ」

「僕たちのラストステージ」

「ライムライト」以来の感動という感じの、コメディアン物の秀作。とにかく人生の機微がグイグイと心に迫ってきます。こんな相棒に恵まれたら人生は素晴らしいだろうなと胸が熱くなってしまった。監督はジョン・S・ベアード。

 

1937年、コメディ映画の大スターローレル&ハーディの全盛期から映画が始まる。次々と映画出演し、その人気はチャップリンに迫るものがあったが、スタン・ローレルとオリバー・ハーディは、ギャラの問題もあり、わずかなトラブルもあったものの、コンビは続いた。この辺りの描き方がやや弱いものの物語は16年後に移る。

 

2人もすでに高齢となり映画の話もなくなっていた。スタンが、近々映画出演ができそうだという話をする中で、2人はイギリスへ渡る。そして舞台出演の仕事を始めるが、最初は客入りも芳しくない。しかしやがて2人の人気が浸透し始め、満席が続くようになり、それぞれの妻も迎えることになるが、もともと持病のあったオリバーはある時倒れてしまう。

 

そして医者の勧めもあり引退を決意、スタンは新たなコメディアンと再出発しようとするが、オリバーの影がちらつき、開演直前でキャンセルしてしまう。

 

そしてアメリカに帰る決意をして荷造りするオリバーの元を訪れ、2人でアイルランドへ向かう。もちろん妻も同伴である。

 

そして、最後の舞台を演じ大歓声の中映画は終わる。ラストステージで今にも倒れそうなオリバーが必死でスタンと踊るシーンが素晴らしいし、船上で2人が座って語るショットも感動。それぞれの妻が、ヒヤヒヤしながらも見守る姿も素敵。

 

喧嘩しても周囲からあれはコントなのだと思われる切ないシーンを絶妙のタイミングで挿入。二人の歩んできた人生の素晴らしさに胸が締め付けられるほど感動してしまいました。久しぶりにこの手の秀作に出会った感じです。

 

「愛がなんだ」

のらりくらりと展開するドラマで、やたら長く感じたのですが、全体の作品としては一つにまとまっていたかなと思います。岸井ゆきのが好みのタイプで可愛いので最後まで見れた感じです。監督は今泉力哉

 

自宅に戻ったテルコにマモルから電話が入るところから映画が始まる。体調を崩して出られないので、まだ職場なら帰りに食べ物を届けて欲しいという。すでに帰宅していたがマモルのことが好きなテルコはいそいそと食材を買ってマモルの部屋へ。そして看病の後風呂掃除やらを始めるが、マモルに追い出されるように帰らされる。

 

マモルとは友達の友達の結婚の二次会で知り合い、恋人ではないものの、時々会うようになっている。テルコはマモルにぞっこんで、マモル中心の生活をしているが、マモルはそんなテルコが鬱陶しい。

 

ある時、テルコがマモルに呼ばれて出かけると、そこにすみれといういかにもすれっからしたような自由な女がいた。どうやらマモルはすみれが好きなようで、事あるごとに一緒に行動を始める。

 

テルコには葉子やナカハラという友達がいて何かにつけて、葉子の家で食べたり飲んだりしている。物語はテルコを中心に、周りの人たちとのダラダラした物語を描いていくが、中心にはテルコのマモルへの想いということのようだが、言葉やシーンのそれぞれがオブラートに包まれたままに展開していくので、まさにのらりくらりだ。

 

ラストも、マモルとテルコが、どこか冷めたような関係になって、でもなぜか、ここまでの登場人物のつながりは切れたわけでもなく、これからもダラダラ続く感じで終わる。駄作とは言わないまでも、よく掴めない映画だった。

 

「ハンターキラー 潜行せよ」

久しぶりに米露の対決という懐かしい設定を見ました。やはりこの構図は面白いですね。古き良きバトルアクションという感じで、先が読めるストーリー展開ですが、ハラハラドキドキだけを素直に楽しみました。監督はドノバン・マーシュ。

 

ロシア近海の深海、一隻の潜水艦が通り過ぎ、その後ろにアメリカの潜水艦が続く。突然、前方のロシア艦の後部が爆発、それに対応したアメリカ艦に頭上から魚雷が来て一瞬で沈む。

 

アメリカ軍部では、行方不明の潜水艦探索のためアーカンソーが派遣される。艦長に抜擢されたのはジョー。しかし、この作品、この人物の人間ドラマの描写に重点を置いていない。

 

一方、アメリカ側はロシア内部の情勢を探るため特殊部隊を派遣する。そして目撃したのはロシアの軍事大臣のクーデターであることがわかる。さらにロシア大統領も拉致される事態となっていた。

 

また、アーカンソーは沈んだロシアの潜水艦から船長らを救出、ロシア海域深部に潜行するため力を借りることになる。そして、特殊部隊と協力してロシア大統領救出の作戦に加わる。あとは戦争アクションである。

 

危機また危機の後、ロシア大統領を救出。米露の戦争も回避されてハッピーエンド。なんか、一昔前はこういう構図がしょっちゅうあった気がするので妙に懐かしかった。