くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「荒野の誓い」「スタートアップ・ガールズ」

「荒野の誓い」

これは素晴らしい作品でした。映像の美しさ、ストーリーの重厚さ、映画としてのシーン作りのうまさが見事。久しぶりに映画らしい映画を見た感じです。監督はスコット・クーパー

 

一人の男が家の前で作業をしている。かなたから近づいて来る馬、コマンチ族である。男は家の中の妻と子供達に逃げるよう指示してライフルを手に向かっていく。一瞬で男は撃ち殺され、妻と子供たちに馬に乗った男たちが迫る。娘たちが撃たれ、赤ん坊を抱いた妻ロザリーは必死で逃げ、隠れ、なんとかやり過ごす。

 

カットが変わると騎兵隊の居留地。時は19世紀末、ニューメキシコ州。かつてはインディアンを殺戮した英雄のジョーは、居留地に拉致しているシャイアン族の首長イエローを、故郷まで護送する命令を受ける。イエローは癌で、余命僅かだった。しかしかつて部下をこの種族に惨殺されたジョーは頑なに任務を拒否する。しかし大統領命令ということで仕方なく任務につく。

 

出発して間も無く、焼けた小屋で、死んだ子供たちと呆然としているロザリーを見つけ保護し、一緒に連れていくことにする。

 

物語は、コマンチ族に家族を惨殺された妻、シャイアン族に部下を殺された男が、目的地までの道のりの中で、死について、命について、そしてインディアンとの争いについて次第に前向きな考え方に目覚めていく人間ドラマとして描いていきます。

 

途中、ロザリーらを襲ったコマンチ族にも遭遇するも、撃退したあと彼らも何者かに惨殺されているのを見る。さらに、途中でジョーのかつての部下で、インディアンの家族を惨殺した罪で護送されていく男も一緒に連れていくようになる。

 

やがて、モンタナに着き、イエローは命尽きて、そこに埋葬しようとしたら、この土地は我々のものだとやって来る白人たちと撃ち合いの末、イエローの息子たちも死んでしまう。

 

やがて、モンタナからシカゴに行く汽車、ロザリーは残されたシャイアンの少女を引き取り乗り込む。別れを言って見送るジョー。ゆっくりと動き出す汽車の最後尾からジョーは列車に乗り込んで映画は終わる。まさに映画的なラストシーンです。

 

シーンのそれぞれが映画になっている。そこがこの作品の最大の見せ場であり、クオリティの高さです。こういう作品はなかなかお目にかかれません。本当に見事な映画でした。

 

「スタートアップ・ガールズ」

東宝シンデレラオーディション出身の二人を競演させたにもかかわらず全く宣伝もせず、しかも平凡なストーリーには参ってしまいましたが、まあ、テレビを見る程度に楽しんだからいいとしましょう。監督は池田千尋

 

破天荒な言動ながら天才肌の光と大企業に苦労の末入社した希。ふとしたことで知り合った二人のドタバタ劇が物語の中心となり、そこになんの見せるものも描くものもない薄っぺらな映画です。

 

と、割り切って見て仕舞えばそれはそれでいいのですが、主演の上白石萌音山崎紘菜もどちらもファンではないので、その意味では全く見る意味もない映画だった。

 

よくある展開とラストです。それ以外何物もないです。そんな作品でした。