くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「007ドクター・ノオ」(4Kレストア版)「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」

「007ドクター・ノオ」(007は殺しの番号)

007シリーズ第一作で、テレビでしか見ていない一本をついにスクリーンで見る。格子からの光を多用した画面作りとスピーディなテンポで展開するストーリーで、娯楽映画の面白さをコンパクトに詰め込んだ作りがとっても面白い作品だった。監督はテレンス・ヤング

 

タイトルの終盤、目の見えない三人が杖をつきながら歩いているシルエットから実写へ移る。ジャマイカ、カードゲームをしていたMI6の諜報員の一人が外に出たところで盲目の三人とすれ違った途端、三人が銃で諜報員を狙撃して殺害、その連絡に秘書が部屋から通信し始めた途端に窓から銃撃されて殺されてしまう。

 

ジャマイカからの連絡が途絶えたMI6本部では、ジェームズ・ボンドを呼び寄せその調査に当てる。ボンドはジャマイカの空港に到着し、出迎えた車が敵だと見抜いてカーアクションを繰り返した後公館へ。その後、調査の中で諜報員が接触した現地の人間クオレルと話すうちに突然襲われる。しかしそれはアメリカから来たCIA職員だった。ボンドは地元の捜査員と一緒に、ジャマイカの離れ島ラブ島へ向かう。

 

折しもミサイルが妨害電波に脅かされる事件が勃発、間も無く発射される月探査ロケットが妨害されるのを防ぐため、ラブ島へ行く。そこにはドラゴンで守られたドクター・ノウという中国人が支配していた。ドクター・ノウは、世界的なテロ組織スペクターの指示で動いていた。ボンドは現地で出会ったセクシーな女性ハニーと共に基地に乗り込み、月面ロケット妨害している装置を破壊、ドクター・ノウを倒して計画を阻止する。こうして映画は終わる。

 

ハイテンポで進むストーリーがとっても心地よい作品で、シリーズ化されるのも納得の一本。秘密兵器などのスパイグッズはまだ出てこないながらも、スパイアクションの原型とも言えるよくできた娯楽映画だと改めて納得しました。

 

「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」

面白いと言えば面白いのですが、映画用に構成を組んだのならもうちょっと物語の流れを整理して欲しかった。アニメとしての絵はちょっとしたものですが、ストーリー展開がだらだらしていて、いくらテレビエピソードの一部とは言え雑すぎる気がしました。監督は古賀豪。

 

一人の男が哭倉村に続くトンネルを抜けようとして、不気味な男女から警告される場面から映画は始まる。昭和三十一年、哭倉村の龍賀一族の当主が亡くなる。その取材のため水木が村に派遣される。この一族の長女の婿が経営する会社に出入りしていた水木は、次の当主はその社長だろうと思っていたが、遺言書には幼い孫が選ばれていた。当然一族郎党の血肉の争いが始まるが、一方で、この一族に伝わる謎の秘薬の謎を解くのが水木の使命でもあった。

 

そんな時、鬼太郎の父が村にやって来る。彼は幽霊族と呼ばれ、この地に連れ去られた妻を探しに来ていた。やがて龍賀一族の真実が明らかになっていく。龍賀一族は裏鬼道の男たちを使って幽霊族を退治しその血を村人に与えて不死の薬を作っていた。そして鬼太郎の父の妻もその犠牲になっていたことがわかる。

 

龍賀一族の屋敷の地下に続く沖の離れ島に、そのエキスを作り出す桜の木があることを突き止めた鬼太郎の父と水木はその地にたどり着くがなんと龍賀一族の当主が孫の体で蘇って君臨していた。こうして目眩く惨殺の真実が明らかになり、鬼太郎の父は妊っている妻の体を水木に託して、自らは犠牲となって龍賀一族、そしてそれによって蘇った悪霊を封じ込める。

 

村を脱出した水木だが、鬼太郎の母は亡くなってしまう。しかし墓に埋めたところ、墓地から赤ん坊が生まれる。鬼太郎の誕生である。水木はその赤ん坊を育てる決心をする。そして現代、その真実を知った男はその物語を後世に残すと決心して映画は終わる。

 

なんともダラダラしたストーリー構成で、結局、前半部分が中途半端におざなりになってクライマックスを迎える。期待はしていなかったが、劇場にかけるならもうちょっと工夫して欲しかった。