くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「15ミニッツ・ウォー」「Tー34 レジェンド・オブ・ウォー」

「15ミニッツ・ウォー」

典型的なB級戦闘アクションですが、物語の配分が上手いのと、余計なセリフをカットしたスピーディな展開でクライマックスまで一気に進む感じは面白かった。実話を基にしているフィクションではありけれど、作りすぎていないのがいいです。監督はフレッド・グリビオス。

 

1976年、フランス植民地のジブチ。一台のスクールバスが生徒たちを乗せながら進んでいる。学校では女教師のジェーンが生徒たちを待っている。突然バスに四人の男たちが乗り込み、そのままソマリア国境へ迎えとバスジャックする。

 

追ってきた憲兵から逃げながら走るが、封鎖線でパンクをしてそのままバスは止まる。犯人たちは立てこもり、ソマリアからの援軍を待つ形となる。

 

事態を聞いたパリ本部は、ジェルヴァル中尉率いる狙撃専門の特殊部隊5名を派遣することにする。現地に到着するも、バスは野原のど真ん中で、狙撃する場所がない。なんとかその場所を確保し、ジェルヴァルが現地の将軍に提案したのは、犯人を一斉に狙撃して反撃させる隙を与えず救出することだった。

 

しかしパリ本部は、なかなか決断を出さず、ジェルヴァルらは、狙撃場所で待機することになる。ところがソマリア国境に続々と援軍らしき兵隊が到着、犯人の焦りもあり、脱出の期限が迫ってくる。

 

ジェーン先生が生徒をなだめるために自ら乗り込むが犯人たちの疲弊もあり一触即発になっている。ジェルヴァルは本部への狙撃命令許可を催促するも、許可が降りず、バスに物資を持っていった憲兵が殺されるなど、どんどん状況は悪化。

 

ソマリアへの逃亡の期限が近づく中、ジェルヴァルは、自らの判断で一斉狙撃をすることを決意する。そして作戦実行するが、犯人たちは狙撃できたが、ソマリアからの銃撃にさらされ、バスもピンチに陥る。

 

ジェルヴァルたちは決死の覚悟でバスを守り、ソマリアからの兵士を一人また一人と狙撃、なんとか子供達を守りきる。しかし、一人の少女が犠牲になってしまった。

 

本部へ戻ったジェルヴァルたちを憲兵たちは祝福して迎えるが、犠牲者が出たこと、敵側の兵士が大量に死んだことへの後悔を胸にトラックで去っていって映画は終わる。

 

クライマックスの銃撃戦は確かに見事な緊迫感であり、そこに至るまでの物語もしっかり描けているので、画面に見入ってしまいます。実話という前提があるので、複雑ですが、アクションとしてはよくできていたと思います。

 

「Tー34 レジェンド・オブ・ウォー」

ロシア製の戦車アクションで友人に勧められて見にいった。懐かしい戦争アクションで、なんのメッセージも見えないストレートな娯楽映画を楽しめました。戦車を使ったバトル戦という工夫がなかなか見ごたえありです。監督はアレクセイ・シドロフ。

 

時は第二次大戦初期、ソ連に侵攻してきたドイツ戦車中隊をソ連の戦車一台が迎え撃つことになる。率いるのはイヴシュキン中尉。天性の感と知識で見事に敵戦車を巻いて前線基地にやってきただけあって、なかなかのツワモノである。

 

迫ってくる戦車中隊を奇襲と迎撃作戦で次々と破壊していく。ドイツ戦車を率いるのはイェーガー大佐。最後の最後一騎討ちになり、相打ちのようになる。そして時は1944年へ。

 

ドイツの捕虜収容所、イェーガー大佐はここに就任してきた。たまたま、ソ連の戦車Tー34を捕獲してきたので、それを実践演習に使うことを考え、捕虜の中から適当な人物を物色する。ところが、かつてのライバルイヴシュキンがいることを知り、彼を選び、彼の部下だった兵士を集めて、実戦訓練のためにTー34の修理をさせる。ところが、戦車の中には実弾六発が残っているのを発見する。

 

イヴシュキンは、この機会に戦車で脱走を考える。そして通訳のアーニャの協力もあり、いよいよ訓練の日が来る。

 

煙幕で巧みに訓練場を隠し、そのまま正面ゲートを脱走。イェーガー大佐は、イヴシュキンを追うことになる。巨大で一見動きづらい図体の戦車を巧みに操って追っ手を迎撃するクライマックスはなかなか見ごたえ十分。

 

そして、最後の最後、再びイェーガー大佐と一騎討ちになるイヴシュキンは、橋の上で最後の銃弾で戦い、橋の上からイェーガーの戦車を突き落とす。

 

こうして、脱走に成功。イヴシュキンは恋心が芽生えていたアーニャとの待ち合わせ場所で再会して映画は終わる。

 

とにかく、面白い。バトルシーンの攻防戦がまるでゲームをしているかのような様相で、テンポよく展開する。気軽に楽しむには一級品だった映画でした。