「IT イット THE END“それ”が見えたら、終わり。」
ホラーもここまでくるとスペクタクルです。次から次に出てくる様々なクリーチャーが楽しいし、正直しまいには笑ってしまいました。しかも、普通に刺されたら死んでしまうというのがまた笑えます。でもラストの締めくくりはやはりスティーブン・キングです。切ない青春ドラマで締めくくったのは良かった。前作第1部が今一つだったけど、完全に挽回しました。三時間近くあったけど面白かった。監督はアンディ・ムスキエティ。
デリーの街、ゲイのカップルが若者たちに袋だたきにあい、一人が川に投げ込まれる。なんとか泳ぎ着いたところで待っていたのはピエロの化け物IT。そして、かつてこの街でITの恐怖を味わったマイクは、橋の下に書かれた「戻っておいで」というメッセージを目の当たりにし、かつてのルーザーズ・クラブのメンバーを集めることにする。あれから27年の時が経っていた。
様々なところで活躍するメンバーたちは続々とデリーの街に集まってくる。一人スタンリーだけ、27年前の恐怖に耐えられず、浴槽で手首を切って自殺してしまう。
集まった六人は、誰もが子供時代の何かを忘れていた。映画は彼らが子供時代に体験した恐怖を一人ずつ再現していく展開になっているが、次々と様々な化け物になって彼らの前に現れる恐怖が実に面白い。
そして、全てを思い出した六人はマイクのリードの元、この街に何百年か前にいた民族の、恐怖の呪いを解くジュードの儀式を行うこととする。全員下水道の中に入り、その中心にある洞窟から中に飛び込み、ピエロの化け物を封じ込めるために儀式を始めるが、なんと、成功したかに思われたが失敗していた。
恐怖の化け物として巨大化した蜘蛛のような足になったピエロはマイクたちに迫ってくる。そして、戦いの中でエディが殺される。しかし、古の民族の教えを復習する中、自分たちの恐怖がITを巨大化しているとわかり、力を合わせて、ITを小さくし、最後にその心臓を取り出し退治してしまう。
全てが終わり、それぞれの生活に戻る彼らに、マイクが手に入れていたスタンリーの手紙が届く。このラストの処理が切ないですね。子供の頃に誰もが経験する何かの恐怖がホラーの題材として具現化する物語の流が原作の背景にあるものだと思います。これこそスティーブン・キングです。ホラーとしても面白かったし、楽しめる映画でした。