くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「アイリッシュマン」

アイリッシュマン」

Netflix配信作品ながら、劇場で公開されれば行かざるを得ないので出かけた。さすがにロバート・デ・ニーロアル・パチーノジョー・ペシなど、往年の名優がドンとど真ん中で演技をすればそれだけで映画に厚みが加わる。物語は大河ドラマのごとき人間ドラマですが、時代の流れ、人生の機微が胸を打つように伝わる展開は素晴らしかった。ただ、終盤まではテレビ画面のような絵作りがやっぱり残念。最初から映画館を意識してくれればものすごい傑作になったかもしれない。でも良かった。監督はマーティン・スコセッシ

 

カメラはとある療養所にどんどんワンカットで入っていく。部屋の奥に車椅子に座るのは、年老いたフランク。かつてマフィアのボスラッセルの右腕として殺し屋として一時代を生きた人物である。映画は彼の回想形式で、若き日のトラック運転手をしていた時代へ遡っていく。

 

肉のトラック配送をして稼いでいるフランクは、ある時、車の修理で路上で困っている時、一人の男ラッセルに助けられる。やがて、フランクはランセルの片腕として仕事をするようになるが、ラッセルは伝説的なマフィアのボスだった。

 

フランクはラッセルと仕事をするうちに、当時全米トラック運転組合委員長のジミー・ホッファと知り合う。フランクの娘のペギーはフランクの仕事に不振を抱いて心を開いてくれなかったが、ジミーには懐いていた。

 

やがてジミーの家族とフランクの家族は家族ぐるみの付き合いをしていくが、ラッセルの命令でフランクは、汚さなくてもいい人殺しに手を貸さざるを得なくなる。

 

一方で、すぐに切れてトラブルになるジミーには友人として接し、ジミーもまたフランクに心を許していた。しかし、組合の運営での権力争いの中、ジミーは四年の服役となり、出てきたものの、地位を取り戻すために何かにつけてトラブルの元になる。

 

そんなジミーをうとましく思い始めたラッセルの組織は、とうとうフランクに彼を殺すように暗に命令が下る。そして、フランクは、計画通りジミーを撃つことになる。

 

やがて、彼らも歳を重ね、次々と収監される。そして、よる年波に逆らえず一人また一人とこの世を去っていく。最後に残ったフランクの語りで映画は終わる。じんわりと時の流れを感じいる作品で、さすがに見事な仕上がりですが、やはりテレビ画面の絵作りに終始しているのはなんとも寂しい。しかし良い映画でした。