「ドクター・スリープ」
原作がよくかけているのだろう。品のいいホラー映画という仕上がりで、なかなかの作品でした。所々に「シャイニング」へのオマージュを入れながら、見えない恐怖のようなものをテーマに描くストーリーはなかなか見ごたえあり。監督はマイク・フラナガン。
かつて雪山のホテルで大惨事を経験した少年ダニーは今はすっかりおじさんになっている。しかし、あの時のトラウマが消えることはなく、また魔物を封じ込める超能力に目覚め、その力でホテルに巣食っていた魔物たちを棺のようなところに閉じ込めていた。
ここに、超能力を持つ子どもの生気を吸って生きる魔物たちがいた。リーダーのロージーはこの日も一人の女性を仲間に引き入れる。そして次の獲物に、予知能力がある野球少年をターゲットにして拉致する。
ここに、強力なテレキネシスを操る少女アブラがいた。彼女はテレパシーでダニーに接触し、野球少年の事件を暴いてくれるように依頼。そしてロージーらの魔物の存在を知らせる。
ダニーは友人と、野球少年の死体を掘り起こし、アブラのメッセージを信じ、ロージーらを倒すために罠を仕掛ける。そして、アブラらに接触してきたロージーの仲間を撃ち殺すが、ダニーの友人は敵に操られて自殺してしまう。さらにロージーは一つの策を巡らせていてアブラを拉致する。
しかしアブラをダニーが救出、追ってくるロージーと最後の決戦のため40年前の雪山のホテルへおびき寄せる。
ホテルに着いたダニーは、ホテルを目覚めさせるべく、ホテル内を歩き回る。かつて父に追いかけられた廊下、バーカウンターなど「シャイニング」の名シーンが蘇る。
そしてやってきたロージーはアブラ、ダニーと最後の戦いへ。ダニーはアブラを逃し、ロージーと戦うも劣勢になる。あわやという時に、ダニーは封印していたホテルの亡霊を蘇らせ、ロージーを倒す。そして、自らボイラー室を爆破させる。
家に戻ったアブラの前に、肉体はなくなったものの生気だけの存在のダニーが現れ、映画は終わる。
「シャイニング」のオマージュシーンはもちろんスタイリッシュですが、全体に、B級ホラーの一歩手前の上品な映像シーンを作り上げている。それでいて、まあまあ面白いのだから、成功ではないかと思います。