くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「源氏物語 浮舟」「ラスト・クリスマス」

源氏物語 浮舟」

オールスターキャストなのですが、平安の濃い化粧で最初は分からなかった。一人の女性浮舟をめぐっての二人の男の恋物語で、舞台こそ源氏物語の世界ながらいまに通じるよくある話なのでわかりやすかった。監督は衣笠貞之助

 

宮中に一人の女性浮舟がやってくる。何事にも清廉潔白な薫は、女好きの匂宮に迫られているところを助け、お互い一目で惚れあってしまう。

 

そんな時、薫には、宮から思いもよらない縁談が持ちかけられる。断れば全てを失うとわかっていながら、薫は浮舟との生き方を望む。ところが、浮舟にご執心な匂宮は、強引に浮舟の体を奪ってしまう。悲嘆にくれた浮舟は自ら命を絶つ。とまあシンプルなお話です。

 

源氏物語自体冒頭くらいしか知らないのですが、様式美とゆっくりしたテンポで進む物語はそれなりに優雅さを帯びていたと思います。2時間近くあるけれど退屈はしなかったのは、やはり当時の役者の力量によるものかもしれません。

 

ラスト・クリスマス

物語の中心がどこにあるのか分からない作品で、最初のスタートから中盤から後半、いろんな視点に移っていって、何を描きたいのか分からなくなってしまった。素敵なファンタジーのはずなのに、妙なラストシーンになった感じの映画でした。監督はポール・フェイグ

 

クリスマスグッズを販売する主人公のケイトは、この日、一夜の関係で過ごした彼氏に部屋を追い出され、途方にくれている。母の家はこうるさくて帰りたくないし、姉はレズの恋人と暮らしていて行きにくい。友達のところでも嫌がられ、店でも失敗ばかりしている。そんな時、一人の青年トムが現れる。

 

彼はまるで空気のようにケイトに近づき、何気無い路地などに彼女を連れていって励ます。ところが、ふと気がつくと姿が見えなくなる。ケイトは次第にトムのことが気がかりで仕方なくなる。

 

一方、たまたま立ち寄った慈善事業の施設で、そこの職員と仲良くなったりする。ケイトは歌手を目指していてオーディションに行くが失敗ばかり。落ち込むといつに間にか彼女の前にトムが現れる。しかし、ある時、なかなか会えなくなり、ケイトはトムを探し回る。そしてようやく出会い、彼の部屋に行く。そして一夜を過ごすが、トムはケイトに何もしない。ケイトには心臓移植した過去があった。と、突然このエピソードが出てくるので、映画ズレしたわたしにはネタが見えてしまう。

 

そして、ケイトは後日トムの部屋に行くが、そこは不動産屋が内覧会をしていて、ここの住人の青年は事故で死んだことを知らされる。トムこそ、ケイトに心臓を提供した人物だった。と、予想通りの結末だが、ここから、慈善施設でのケイトの歌声を披露するシーンや、レズの姉を迎えての家族の団欒やら、妙なシーンが続く。周りの小ネタも生きていないし、終盤にバスの中で移民についてのトラブルがあったりと、ちょっと散漫な視点になってるのが惜しい。

素敵なファンタジーラブストーリーで押し切ればいい映画になったかなという感じです。