「ソニック・ザ・ムービー」
普通に楽しかったし面白かった。娯楽映画としては及第点と言う感じの映画でした。ソニックのスピード感やコミカル感がよく出てるし可愛く見えたのでよしとしましょう。監督はジェフ・ファウラー。
とある星、超高速スピードで移動することができる特異な能力を持った宇宙ハリネズミのソニックが、彼を育ててくれた師匠と暮らしている。ところが、ソニックの能力を狙う悪者が襲いかかり、師匠は身を挺してソニックを逃す。その時、念じることで望むところへ行くことができるリングの入った袋を託す。ソニックは師匠の命と引き換えに地球へやってくる。それから10年がたった。
ソニックは師匠の教えの通り、目立たないように存在を隠して小さな街の洞窟で暮らしていた。しかし、人々が楽しそうに遊ぶ姿に憧れを抱いていた。ある夜、草野球の試合の後、一人でグランドで遊んだソニックは、思わず目一杯の力を使ったために電磁波が起こり付近が停電してしまう。原因を探るために政府が依頼したのはマッドサイエンティストのドクター・ロボトニック。
一方、ずっと暮らしていた洞窟も人間の捜索隊に見つかりそうになり、ソニックは脱出、地元の保安官でサンフランシスコへ転任を希望しているトムの家の物置に隠れる。ところがたまたま部屋を調べたトムと遭遇、トムは思わず麻酔銃をソニックに打ち込んでしまう。その時、師匠の指示でキノコの星へ移動しようとしていたソニックは、思わずリングの袋を落としてしまう。
翌朝、ロボトニックがトムのところへやってくる。トムはソニックの存在を隠そうとするが見つかり、トムとソニックはその家を脱出、さらには、トムに撃たれたときに落としてサンフランシスコへ飛ばしてしまったリングの袋を探しに行かなければならなくなり、トムとソニックはサンフランシスコを目指す。それをロボトニックが追ってくる。
あとはソニックたちとロボトニックとのバトル戦が延々と繰り返されるが、ソニックのハイスピードがなんとも心地良くて全体がテンポ良く流れるので飽きない。ロボトニックは、ソニックが落としたブルーの毛にあるエネルギーでマシンを強化、ソニックとの決戦へ臨む。しかしソニックはトムと協力してロボトニックをキノコの星に飛ばしてしまい大団円。
ソニックはトムという友達ができたことで、地球に残ることにする。ロボトニックはキノコの星でリベンジの機会を待つ。新しい宇宙狐が現れて続編を思わせるラストでエンディング。まあ、楽しめました。
「SKIN スキン」
映画のクオリティは非常に高いのですが、殺伐としたストーリーな上に、主人公ブライオンに最後まで感情移入できなかった。監督はガイ・ナティーブ。
白人至上主義などを唱えるヘイト集団ヴィンダラーズのメンバーブライオンらは、この日も対する反ヘイト集団らと衝突していた。たまたま、反ヘイトの青年に罵倒されたブライオンらは、青年を追いかけ痛めつけて逃げる。
ある日、ヴィンダラーズのパーティにジュリーとその娘たちが歌を歌うために招待されやってくる。しかしヴィンダラーズの一人が子供たちを冷やかして罵倒したため、切れたブライオンはその男を半殺しにする。
ブライオンらヴィンダラーズのメンバーは頭から足の先まで刺青をしていて、その模様にメッセージがあった。若い頃ぐれていたブライオンはヴィンダラーズのリーダーフレッドに拾われここで暮らしていた。以来、ブライオンはフレッドとその妻を親と慕っていた。しかし、ヴィンダラーズの過激な活動にはどこか疑問を感じ始めていた。
ブライオンは、ジュリーと急速に接近し、やがて愛し合うようになるが、ヴィンダラーズを抜け切れないブライオンにはジュリーは不満だった。そんな頃、ブライオンに、ヘイト活動をする青年を更生させる運動をしているジェンキンスが近づいてくる。一方、ヴィンダラーズがムスクを焼き討ちする活動にブライオンも参加し、そこで、移民を助けたことから組織に疑われる。そんな頃ブライオンはジュリーと結婚する。
身の危険、さらにジュリーの子供達の危険も意識したブライオンは、組織を抜けることを決意し、ジェンキンスを通じてFBIと取引することになる。ブライオンの刺青を除去する手術の費用を負担すると申し出る富豪の女性も現れる。しかし、ジェンキンスの指定するホテルにいる時、異常に神経質になったブライオンはジュリーと喧嘩し、ジュリーはブライオンの元を去ってしまう。
ブライオンは、2年近くかけて刺青除去手術を受け、退院してジュリーのもとを訪れる。刺青が全てなくなったブライオンを見たジュリーは彼を家に招き入れる。ジュリーはブライオンとの間にできた赤ん坊を抱いていた。こうして映画は終わる。
俯瞰カメラを使った絵作りや、緊迫したシーンのカット、ブライオンの手術シーンを冒頭から細かく挿入するタイミングなど、映画のクオリティはなかなかである。ただ、実話を元にしたということで、このブライオンへの感情移入ができなかった。
自分と親密になるなら、ジュリーらに危険が及ぶのは当然だし、結局組織を抜けるなら、全て整理してから家族になるべきだろう。ヴィンダラーズにいた頃の過去の所業ゆえに攻撃される場面もあり、それをまるで、ただの被害者だと言わんばかりの描写はちょっといただけない。自業自得の部分もあるのではないかと思う。映画としてはなかなかの秀作ながら、素直に受け入れられない作品でした。