くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「SONG TO SONG ソング・トゥ・ソング」「ニューヨーク 親切なロシア料理店」

「ソング・トゥ・ソング」

断片的に撮ったさまざまなシーンをつなぎ合わせて、感性だけで描く男と女の物語、というか、もはや一貫したストーリーもない映像詩のような作品で、背後に流れる音楽に映像が踊っていくという作品である。正直、退屈でしんどいし話を理解できないし人間関係もわからない。監督はテレンス・マリック。まさにテレンス・マリック

 

物語は解説によれば、音楽の街で、大物プロデューサーのクック、フリーターのフェイ、売れないソングライターのBV、ウェイトレスのロンダらを中心に四人の男女の男と女の物語が思いもよらない運命の展開へ進んでいく。

 

ということだが、映像はひたすら男と女がイチャイチャする場面を繰り返し、独り言のセリフが物語を語っていくが、そもそも、人物関係を描写する場面がないので、これはお話を追う作品ではないと割り切らないと見ていられない。テレンス・マリック作品の一番苦手な部分が表に出た作品でした。

 

「ニューヨーク 親切なロシア料理店」

ちょっと素敵な映画なのですが、舞台であるロシアン料理店の意味が何かあるように思うのですが理解しきれなかったのは残念。物語もそれぞれが絡み合う鮮やかさがいまひとつ物足りなく、そこがもったいなかった。監督はロネ・シェルフィグ

 

DVで警察官の夫から逃げるためにクララは二人の息子をつれて深夜脱出するところから映画が始まる。ここに赦しの会というサークルを教会で運営して、一方で看護師をしているアリスという女性がいる。しかし、看護師の仕事に限界を感じていた。赦しの会には弁護士のジョンが友人マークに付き添われてきている。

 

ここに、何の仕事をしてもヘマばかりしてクビになるジェフという青年がいる。彼は寒空に外で寝ていて保護され教会で施しの列に入ろうとしてアリスと知り合う。

 

クララは食料や寝泊まりする場所を探して盗んだり、頼み込んだりして過ごしていたが限界が来てとうとう施しの列に入りホームレスとなる。そんなクララは食べ物をくすねに入ったロシアン料理店でマークというシェフと出会う。クララは夫から逃げるため点々と移動するが、とうとう教会へ逃げ込んでアリスに部屋をあてがわれる。しかし、次男が雪の降る庭に出て凍死寸前になり、ジェフに見つけられアリスの病院へ救急搬送される。クララと長男は、ロシアン料理店のピアノの下に隠れ眠りこけてしまう。そんな彼女らにマークは食事を運んでやり、レストランの最上階の自分の住まいに住まわせてやる。

 

長男は父親の暴力の証拠写真をパソコンで見つけたので、それを元に、マークの友人の弁護士のジョンに頼んでクララの夫を告訴する。それぞれの人生が次第に絡み始め、限界を感じていたアリスには看護婦長から病院で赦しの会を開けるように手配される。やがてアリスとジョンは恋仲になる。

 

裁判でクララの夫は罪に問われ、クララは晴れて自由になる。ロシアン料理店でクララたち、アリス、マーク、ジョン、ジェフらが最後の食事をする。クララたちは自宅に戻る。そして、凍死寸前から快復し、ずっと口を聞かなかった次男がクララに、引っ越そうと声をかける。そして、クララたちはロシアン料理店のそばに引っ越し、マークは料理店の支配人を任され、ジェフはドアボーイの職につき、アリスとジョンもハッピーエンドになって映画はほのぼの終わるのだが、ここまでの展開が少々暗いので、ちょっとチグハグ感が拭えなかった。でもなかなかいい映画でした。