「笹舟お紋」
テレビ時代劇の世界で、シンプルそのままの娯楽時代劇でした。監督は田中徳三。
笹を使って人を殺傷するというぶっ飛んだ技を持つお紋という渡世人が、たまたま一人のチンピラが殺される現場に遭遇し、それが縁でとある宿場町で、茶屋を救ったり、遊女の情夫と対決したり、ヤクザ者とのドタバタに巻き込まれるというもので、中身は何もないけれどただただ繰り返されるちょっとお色気のあるシーンと笹と剣のチャンバラ劇を楽しむ映画でした。
「怪談雪女郎」
やはり隠れた名作、昔テレビで見ただけだったので、今回の特集で一番楽しみにしていた作品でした。妖しげな色気と恐れ、そして切ないほどの恋物語が絡み、娯楽映画として綺麗に仕上がっていました。監督は田中徳三。
物語は雪女の伝説そのままで、そこに悪役人の地頭が登場して少々かき回すものの本来の物語を崩すことなく、雪女は去っていって映画は終わる。いい映画でした。