くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「マトリックス レザレクションズ」

マトリックス レザレクションズ」

何の意図があって、18年も経ってこの作品を発表したのか意味不明の映画で、キアヌ・リーヴスキャリー=アン・モス、ジェイダ・ビンスケット・スミスら主要キャストたちがリアルに年を取って、しかも、実年齢で出せないローレンス・フィッシュバーンヒューゴ・ウィービングらのキャストは、別の俳優が演じて茶を濁す、物語は過去三部作で一旦終わったのを無理やり再生させ、過去作品の映像を散りばめてノスタルジーとオマージュに浸りながら、結局、退屈はしないまでも過去の栄光をもう一度という感じのあまり気持ちのいい映画ではなかった。監督は、ウォシャウスキー兄弟、いまは二人ともトランスジェンダーを公表したウォシャウスキー姉妹の姉ラナ・ウォシャウスキー

 

ハッカーのバッグスが何者かに侵入されるところから映画は幕を開ける。この後、「マトリックス」第一作と全く同じ台詞と展開で、トリニティ登場の場面となり、バックスらがその様子を見ている流れとなり、過去の再現のまま、トリニティは屋上へ脱出するが、旧作では逃げ切るのだが、今回は捕まってしまい、展開が変わってくる。ちなみにこの場面のトリニティはキャリー=アン・モスではない。

 

一方、トーマスはゲーム会社に勤めているゲームクリエイターで、マトリックス三部作を手がけたことで超有名になっている。親会社のワーナーブラザーズの意向で続編を作るという話が起こっているという何とも馬鹿げた流れになる。そんな彼の会社にいきなりの侵入者が現れ、トーマスを助けるのがモーフィアス。しかもトーマスが知る姿とは違っているが、屁理屈を捏ねて通してしまう。多分ローレンス・フィッシュバーンが太ってしまったからかもしれないと想像。

 

モーフィアスはトーマスのことをネオと呼び、機械の侵攻がまだ続いていると説明。そんなネオは街で、ティファニーと名乗る女性と会うが、トリニティの姿だった。ネオとトリニティは旧作最終章で死んだはずなのだが、機械社会のアナリストが彼らを機械で生き返らせたのだという。さらに、ネオの宿敵エージェントスミスまで姿形が変わって登場すると、もう作り手の自己満足にしか見えない展開となる。しかも、ネオとスミスの格闘シーンは旧作と全く同じ演出がなされるし、ここまで来ると、工夫とか意図的というものを全く感じさせず、監督の遊びにしか見えない。

 

トリニティが生き返っていることで、もう一度18年前に戻ろうとするネオに、いまやポッドの家族がいるトリニティ=ティファニーは一旦はネオの元を去りかけるが、目を覚まし、ネオの元に戻って熟年カップルとなって復活。そんな二人を危険視するアナリストはポッドたちを使って総攻撃してくる。しかし、トリニティさえも空を飛べるようになり、二人はアナリストを迎撃、さらにスミスまで味方になる展開で、大団円を迎えて映画は終わる。

 

凡作ではないし、お金のかかった映像だが、目新しさは全くなく、旧作へのオマージュだけの自己満足映画で、ストーリーテリングもお粗末なまま、冒頭のシーンよろしくワーナーブラザーズの意向をくんだだけの作品という感じでした。