くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「エレキの若大将」「ロッキーVSドラゴ ロッキーⅣ」

「エレキの若大将」

安直なたわいのない物語ですが、この時代の映画は、本当に見ていて幸せになれますね。娯楽というのはこうでなくてはいけないと思います。監督は岩内克己

 

若大将田沼の大学のアメフト部の試合から映画は幕を開ける。試合に負け、次のキャプテンが田沼に決まるが、ライバルの青大将石山は面白くない。田沼は自分の実家の料亭に部員を招き大騒ぎをするがその帰り、石山の車に乗っていて石山が事故を起こす。石山は田沼に代わって欲しいと懇願、被害者の燈子と知り合う。

 

澄子と示談が決まり十万の金が必要になったが石山の父は金を出してくれず、たまたま澄子の勤めるレコード店で、エレキギター大会の話を聞く。その試合に優勝したら十万円手に入ると聞いて田沼たちはバンドを組んで出場する。順調に勝ち進み、石山の知り合いで頭取の息子らのバンドと最後の対決も制し優勝。石山はすっかり澄子に惚れていたが澄子は田沼のことが好きだった。

 

田沼らのバンドに興味を示したスポンサーの娘が田沼に近づいてくるが、田沼は澄子への気持ちに揺るぐことはない。田沼らのバンドはプロ入りすることになり、日光で演奏するが田沼を追って石山の車で澄子も駆けつける。しかし、スポンサーの娘と田沼の結婚の話を立ち聞きしてしまった燈子は田沼らの前から消える。そんな頃、田沼の店が破産し田沼は店の立て直しのために大学もアメフトも辞める決意をする。ところが日光で作曲した曲に興味を持ったエレキギター大会の審査員の一人が田沼にレコード化の話を持ちかけ、田沼はその売上で店を立て直すことを決意する。

 

田沼は日光へ一人旅に行った燈子を迎えに行き、疑念を晴らし、ライバル校との試合の場に戻ってきて、見事逆転してハッピーエンド。田沼の店で、「君といつまでも」を絶唱して映画は終わる。

 

全く、めでたしめでたしのゆるゆるの映画ですが、見終わってとっても楽しかった感想だけが残ります。これが黄金時代の映画ですね。楽しかった。この頃の星由里子が抜群に可愛らしいし、上原謙加山雄三の父子共演も面白かった。

 

「ロッキーVSドラゴ ロッキーⅣ」

1985年制作の「ロッキー4炎の友情」を42分の未公開シーンに差し替え、ワイドスクリーン、4K変換し、スタローン自ら再構築した一本。オリジナル版を見た当時はそれほど印象になかったが、今回見直してみるとえらく面白かった。差し替えたぶんキレが良くなったのか、余計な描写が省かれて見せ場だけが残ったので見やすくなったのかはともかく、荒削りながら、迫力のある試合シーンは引き込まれるし、クライマックスは胸が熱くなってくるし、こういうやんちゃな映画は今はなくなったのかもしれません。監督はシルベスター・スタローン

 

アポロに敗れた後、アポロをセコンドに迎えてヘビー級チャンピオンになったところから映画は幕を開ける。平穏な日々を暮らすロッキーたちに、ソ連のボクシングの新人ドラゴから挑戦状が来る。第一線を退いた無力感に苛まれていたアポロは、自分がこの試合の出るとロッキーを説得する。

 

派手なパフォーマンスで試合に登場したアポロだが、殺人機械のようなドラゴの前に敗れ、命を落としてしまう。その冷酷な仕打ちに腹を立てたロッキーは親友の敵討ちで、ドラゴと戦いたいと申し出るが、アメリカプロボクシング協会は認めなかった。ロッキーはチャンピオン資格を返上してソ連に乗り込むことにする。

 

ソ連での試合会場、観客のロッキーへの敵意は半端なかった。相手のドラゴはその機械のような攻撃でロッキーを追い詰めていくが、ロッキーは何があっても壊れなかった。ラウンドが進むにつれ、ソ連の観客の声援はロッキーに向けられ始める。そして最終ラウンド、決死の思いで臨んだロッキーは見事ドラゴを下す。こうして映画は終わります。

 

明らかに今のロシアを意識した編集になっているとはいえ、オリジナル版公開時も冷戦真っ只中だったので状況は同じである。それよりも、娯楽映画としてしっかりと作ろうという意気込みが伝わってくる作品だと改めて感じました。