くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「8 1/2」「ヘルドッグス」

8 1/2

何回見ただろうか、フェデリコ・フェリーニの作品の中で大好きな一本。また見にきました。何回見ても恐ろしいほどの傑作です。現実か幻想か、過去か現代か、何もかもが一つの映像詩となって圧倒的な迫力で映し出されて行く画面が見事です。一見、難解と捉えられがちですが、一つ一つのエピソードやセリフ、場面にこだわらずに、見えてくるもの、映し出されているものをそのまま感じて楽しむ。これこそが映画芸術の究極の完成品のひとつかもしれません。

 

クライマックスになるロケット発射台の巨大セットに圧倒され、目眩くように入れ替わり立ち替わり登場するさまざまな人物。一人翻弄されていく主人公グイドの姿、そして、最愛の妻と寄り添いながらセットを歩いて行くラストシーン。画面にはまるでサーカスの舞台に楽隊が演奏して去って行く画面になっています。本当に見事です。素晴らしいです。これこそがフェリーニの世界。映像マジックに世界です。

 

「ヘルドッグス」

あまりに良かったので、また見にきました。見直して気が付いたのは、カット割が抜群にうまいのとシーン転換のリズムが秀逸、さらに選曲が見事、それらがうまくコラボして傑作になった感じです。もちろん物語の面白さや役者陣の演技力が引き出されている原田眞人監督の演出も素晴らしい。二度目でしたが全く退屈しないし、初めて見た時同様にワクワクしました。やはり大傑作だと思います。