くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ホワイト・ノイズ」

「ホワイト・ノイズ」

よくわからないけれど、面白い映画だった。いつの間にか時間が経ってラストになってたが、振り返ってみると、一体なんだったのかというコメディ作品。エンドクレジットのスーパー内のダンスシーンがとにかく楽しい。監督はノア・バームバック

 

第二次大戦の頃のニュース映像などが繰り返され、真上から道路を映す場面、大学教授のジャックの家の朝が慌ただしく描写されて映画は始まる。この細かいカットのオープニングにまず戸惑う。ジャックは大学でナチス研究の第一人者と言われているがドイツ語が全くダメで、ドイツ語教師に一ヶ月でなんとかしてくれなどと言っている。大学の同僚のマレーは、ジャックがヒトラーに詳しいように自分もエルヴィスに詳しい教授になりたいから、自分の講義に乱入してきてナチス論を語ってほしいという。

 

ジャックはマレーの講義の場に飛び込んで、延々とナチス論を語り始め、マレーのエルヴィス論と重なっていくくだりが実に面白い。そんな頃、危険な化学物質を積んだ貨物列車が走っている。一方、飲んだくれの運転手が運転する可燃物を積んだトレーラーが走っている。予想通り、トレーラーと貨物列車は衝突し、貨物列車の危険物質が空中にばら撒かれ黒い雲となって広がり始める。

 

ジャックは妻のバベットとの寝物語で、お互いに先に死んでほしくないなどと話し、ジャックは、深夜に幻覚を見たりする。最近、バベットは物忘れがひどくなったと思い始めていた。娘のデニースは、母親のバベットが、謎の薬ダインを飲んでいるらしいという。調べてもわからず、ジャックも大学の化学の教授に調べてもらったりするが、市販もされていなくてわからない。

 

危険物質の雲が広がり始め、それを眺めながら夕食を始めるジャックの家族。実はジャックと妻のバベットはどちらもバツ四で、お互いの連れ子の名前がよくわかっていない。

 

息子のハインリッヒは、その雲の危険を父のジャックに訴えるがジャックは取り合わない。ところが、消防署から危険を知らせるアナウンスが流れて、ジャックたちは取るものも取らず車に乗りハイウェイに出るが、大渋滞に巻き込まれる。とりあえず、ラジオの情報から避難所へ向かうが、途中ガス欠になりかけ、ジャックは無人の給油所でガソリンをれる。しかし、危険物質の雲がジャックの頭上を通り過ぎてしまい、ジャックは二分余り雲にさらされてしまう。

 

川に落ちたり、林を突き抜けたりしながら、さらに救難所へ向かい、なんとか避難所にたどり着く。しばらくして、危険物質の雲に危険物質を食べる微生物を撒いたということで危険が去る。しかし、ジャックには、妻が飲んでいるダインという薬の謎が残っていた。ある夜、ベッドでバベットを問い詰めたジャックは妻から驚愕の話を聞く。

 

バベットは、自分は死に対して極度の恐怖を感じるようになり、たまたま、そういう症状を和らげる薬の治験者を募集していて応募したのだという。その薬を開発しているミスターグレーに身を任せた事実を告白する。ショックを受けたジャックはバベットと別れることも考えるが、ぞんな自分も、危険物質の雲にしばらく晒されたことで死に対する恐怖を感じていた。そして、バベットの薬を飲んでみようとして、バベットが隠していたところを探すが無い。デニースがゴミの圧縮機に捨ててしまったという。

 

ジャックは、ゴミの中を探すが見つからず。代わりに、ミスターグレーの治験募集の記事を見つける。ジャックはミスターグレーに電話をし、措定されたモーテルに向かう。ジャックは、ピストルを持っていく。ジャックは薬は盗んで、ミスターグレーは殺すつもりだった。モーテルに着いたジャックはミスターグレーを撃ち、倒れたミスターグレーにピストルを握らせるが、そこへバベットがやってくる。ジャックが人殺しをするのではないかと思ったためだ。

 

まだ息があったミスターグレーは、ジャックを撃つが、弾が逸れて、ジャックとバベットの体を掠めるだけになる。ジャックはバベットと一緒にミスターグレーを助けるべく車に乗せ、救急病院に連れていく。そこで、迎えに出た尼さんとのコミカルな会話を交わす。全てが終わり、元の日常が戻る。スーパーで買い物するジャック達、物語はここで終わり、エンドクレジットが流れて。スーパーの中の人たちの群舞シーンで映画は終わっていく。

 

一体なんなのだという映画ですが、全体のテイストはコメディです。とにかく、何が何だかわからないままに展開していく意味不明なコメディ映画という感じでしたが、映画がとっても楽しい。作り手の姿さえ見えてくるほどに楽しい作品に仕上がっていました。