くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「黄金の七人」「続黄金の七人レインボー作戦」

黄金の七人

とにかく面白い。余計な前段階を排除していきなりの本編からひたすら娯楽に突っ走っていく作りと、ラストシーンまで気を抜かないエンタメ性に、これぞ娯楽映画と言わしめる面白さが凝縮されています。名作と言っても過言ではない面白さでした。監督はマルコ・ヴィカリオ

 

黄色いトラックや作業車、ワゴンが街を走っている。その背後に高級車に乗った教授とセクシーな女性ジョルジャが乗っている。これから銀行強盗しにいくといういきなりのオープニングから一気に引き込まれます。大銀行の巨大金庫の中には山積みの金塊、それを近くの通りから穴を掘って地下水道を抜けて金庫に穴を開けて盗み出す。指示をするのは向かいのホテルに陣取った教授。何やら近代的な装置が作業の様子を監視して、緻密な時間計算の中で作業は進んでいく。

 

流れ作業のように金塊を盗み出す前半がとにかく面白い。教授の指示に、さまざまな妨害が絡んできて、それを交わしながら、外枠を残して内側の金塊だけ盗み出す。そして、全て積み込んで脱出、仲間とナポリで分けるべく、真鍮と偽って輸送し始める。しかし列車の中で教授の前にジョルジャと仲間の銀行家が現れ、教授に睡眠薬を打ち、途中で金塊を独り占めにしようとする。そもそも教授は他の六人には新しいパスポートを渡して逮捕させ、独り占めするつもりだったが、ジョルジャに裏切られた形である。

 

ところが。教授はそれも見越して、ナポリで無事金塊を独り占めするが、ジョルジャと銀行家は、途中で手にした金塊は、金塊だと思ったまま溶かされてしまったと思っていた。教授はジョルジャを再度誘い二人で逃げようとするが、六人が追いかけて来る。教授は全員と話し山分けするべく合流するが一人が喜んでトラックのサイドブレーキを外したためトラックが暴走、事故を起こして金塊をばら撒く大騒動になる。教授は近づくなと止め、金塊を諦めて解散して映画は終わる。

 

とにかく、面白い。次々出て来る新兵器は荒唐無稽だが、マンガチックに展開する様がエンタメの極致です。娯楽に徹した傑作でした。

 

「続黄金の七人レインボー作戦」

前作の続編という形で、おなじみのメンバーが同様の手口で金塊を手に入れるという荒唐無稽な作品ですが、さすがにちょっと荒い脚本になっていて、面白いのですが、ちょとはちゃめちゃ感が増幅され過ぎた感じです。監督はマルコ・ヴィカリオ

 

いつものメンバーは、今回は銀行の金庫ごと盗むところから映画は始まる。しかし、掘ったトンネルの出口で捕まってしまう。一旦逮捕された六人だが教授とジョルジャは、南米軍事国家の独裁者を誘拐してほしいと持ちかけられる。多額の報酬と引き換えということで、教授は例によって新兵器を携えて潜水艦で独裁国家へ潜入していく。ところが独裁国家の将軍の船には七千トンもの金塊が載っていることがわかり、これを奪う計画を立てる。

 

映画は、例によってジョルジャが将軍を誘惑しながら、いつもの六人は教授の指示の元、金塊を奪う作戦を実行、将軍誘拐を依頼したアメリカ政府は、海賊行為だと非難するが、教授は作戦を遂行、将軍を一旦は誘拐した上で、平和主義だと証明して送り返し、金塊を船ごと盗んで作戦を完遂したかと思われたが、仲間割れで銃撃戦となる。教授はそんな彼らを戒めるが、アメリカ海軍がやってきたので、金塊を諦めた風を装う。しかし、密かに運び出す作戦を実行していた。

 

ところがジョルジャは将軍と結託してその金塊をとある銀行へ預けてしまう。将軍とジョルジャが高級車で悠々自適に走っていると、例の黄色の作業員たちが、銀行から金塊を手に入れるべく穴を掘っている姿を目撃、こうして映画は終わっていきます。

 

今回も、荒唐無稽な兵器や機材が目白押しに出てきて、漫画チックに面白い。ただ、ちょっと話が乱雑になった感があって、クライマックスのドンデン返しもあまりキレが良くない。それでも娯楽映画としては十分に楽しめる一本でした。