くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「DUNE 砂の惑星PART2」

「DUNE 砂の惑星PART2」

SF超大作とはこういう映画だと言わんばかりの圧倒的な映像と壮大なドラマを堪能できる映画だった。とは言ってもPART1でも書いたが、ドラマ部分がやや持て余し気味に走ってしまうのが非常に残念。三時間近くかけたものの、クライマックスのスペクタクルが目立った反面、物語の奥深さは流石に原作を再現しきれていない気がします。もちろん作品は一級品ではあるのですが、あまりにも原作が素晴らしすぎるゆえに期待感が強すぎるのかもしれません。でも音響効果も見事で素晴らしい映像体験でした。監督はドゥニ・ヴィルヌーヴ

 

第一部で惑星アラキスを統治していたアトレイデス家の当主が皇帝とハルコンネン家に殺されアトレイデス家は滅んだかに見えたが、息子のポールと母ジェシカは砂漠の原住民フレメンの中に身を置くことになる。第二部では、フレメンの中でポールが次第に救世主=マフディあるいはリサーン=アル・ガイブとしてフレメンに信頼されていくのだが、一方で母ジェシカがベネ・ゲセリットであるため、人々を洗脳する力があり、その力も使うことでポールの存在感がフレメンの間に広まるようになるくだりから物語は始まる。

 

そんなポール自身も香料=メランジに触れることで未来を予知できるようになり、ジェシカのお腹にいる妹の存在を知ることになる。ポールはフレメンのリーダースティルガーの信頼を得てみるみる救世主としての存在感が強くなっていく。しかしアラキスを治め、メランジを採掘するハルコンネン家だが、フレメンの妨害で思うように収穫できずハルコンネン男爵を苛立たせている。そして、統治官のラッバーンを罷免し、弟で残虐性のあるフェイド=ラウサを新たに統治官として送り込む。

 

アラキスの北部地区でメランジを採掘しているハルコンネン家だが、アラキスの南部地方は砂嵐によって隔絶され人が住めないと言われていた。しかしそこには原理主義者と呼ばれる民族が住まいしサンドワームでのみ砂嵐の壁を越えて南部に行くことができた。ジェシカはサンドワームから採取した命の水を飲んでフレメンの教母としての地位につく。そして南部にさらに布教を進めるために旅立つ。

 

ポールたちはハルコンネン家のメランジ採掘を妨害する日々だったが、死んだと思っていた、父レト侯爵の部下ガーニィと再会したポールはスティルガーの思いもあって南部へ行きフレメンをまとめてハルコンネン家を追い出し、アラキスをフレメンのものにして緑の楽園を作るという理想を目指すことになる。サンドウォームも乗りこなせるようになったポールはフレメンのチャニとも愛し合うようになる。そしてポールに率いられたフレメンは南部を目指す。

 

南部に着いたポールは命の水を飲むがそれはある意味毒薬だった。ポールはベネ・ゲセリットの訓練を受けていたとはいえ瀕死の状態になってしまう。そこへチャニが砂漠の涙を加えた命の水をポールに与えるとポールは蘇り、未来を見通す力を完全に身につけて、ジェシカがハルコンネン男爵に娘であることを知る。ポールはハルコンネン家の男だった。フレメンの救世主となったポールは、ガーニィによって、アトレイデス家が密かに隠した核兵器の存在を知り、ハルコンネン家、さらに皇帝を倒すべく立ち上がる。

 

フレメンの救世主=マフディからの手紙をもらった皇帝はアラキスにやって来る。そしてハルコンネン男爵を殴打し、フレメンの救世主を撃つべく自らの軍隊サーダカーを差し向けて来る。ポールはアトレイデス家の核兵器を発射し、さらにサンドウォームを操ってハルコンネン家と皇帝軍を打ち破り、ハルコンネン男爵を殺す。最後に皇帝に退位をさらに皇帝の娘マーゴットを妃に迎えて自分は皇帝につくと迫る。ポールは決闘で決めようと提案、皇帝は自分の代わりにフェイド=ラウサが立たせる。そして死闘の末ポールが勝ち、皇帝に跪かせ、マーゴットを妃に迎える。その姿をチャニは寂しく見つめ、一人その場を去る。

 

空には大領連合の宇宙船が現れていた。ポールは攻撃するならメランジを全て核兵器で破壊すると脅し、自身の皇帝就任を認めさせようとするが、皇帝につくことは大領連合は認めず、ポールたちは大領連合との戦闘が開始されたことを自覚して映画は終わる。

 

原作の壮大なドラマを見事に映像に表現した醍醐味は十分すぎるほど味わえる超大作ですが、ポールがフレメンの中で成長していくくだりやハルコンネン家の苦悩、フェイド=ラウサのカリスマ感などの部分が描ききれず持て余し気味に見えるのがちょっと残念。しかし、大作映画を堪能するという意味では十分すぎる作品でした。