くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「キング・アーサー」

映画「キング・アーサー」はもっと退屈な映画かと思っていました。ところが二時間を最後までしっかり見せてくれました。
かなりの大作であるのにわざとらしさがない。円卓の間のシーンもかなり重厚なセットであるにもかかわらず、自然に見える。城壁のセットもかなりの予算が注ぎ込まれているのに、当然そこにあるかのように存在する。

それぞれの場面がしっかり練り上げられているためでしょうか。まるでそこに本当にあるかのようなリアル感が感じられるのです。

物語もとりわけ派手な展開ではないにもかかわらず、非常におもしろいのです。
クライマックスの決戦の物語もアーサーがいかにして大群を破るのかが見せ場であるがここにいたってもスペクタクルに重点を置かず、知略と物量の戦いにし、次から次と見せ場を作るストーリー展開は見事なものでした。

とかく、こうした映画は昨日のトロイのように大スペクタクルを売り物にしてしまいがちですが、この作品ほどさり気なく作られた秀作は珍しいです。

景色の場面にCGを使い、やや技巧的なところが見受けられ、また、各登場人物の人物描写が若干弱いようにも思いますが、そうした弱点を十分カバーしうるだけ、作品全体の出来栄えがすぐれています。
いい映画でした。