くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」

三銃士

結局、続編を見ないとこの物語の結末と面白さは堪能できないということでしょうか?もうちょっと、わくわくどきどきのアドベンチャースペクタクルだと期待していたのですが、ちょっと物足りませんでした。
代表作の「バイオ・ハザード」はDVDでしか見ていませんが、このポール・W・S・アンダーソンという監督なかなかアクション映画は面白く撮る監督だと思っていたのですが、さすがに今回のような大作となるとどうも手に余ったとしか思えないほどにどれもこれもが中途半端なのです。

まず、登場人物がいまひとつ灰汁がなさ過ぎるのです。ダルタニアンふんするローガン・ラーマンもどうも線が細すぎて、小生意気な若造にしてはすっきりしすぎているし、つわものたちの三銃士の面々も、その男くささを見せるのは枢機卿の衛兵と戦った冒頭のシーンだけで、これといってむんむんするほどの骨太さが見えない。さらに、フランス王ルイ13世も出だしから一貫しておバカな王様として描いているのに、ラストにいたっては普通の若者として描写している。唯一ミラ・ジョヴォビッチふんするミレディが「バイオ・ハザード」ばりのアクションを展開するのが見せ場といえば見せ場なのですが、どこかで見たようなシーンしかない。さらにクライマックス、飛行船同士の戦闘シーンが今回の映画の最大の見せ場のはずですが、今となってはこの程度のCGでは誰も驚かない。

要するに、登場人物がヒーロー物アクションとして十分に描かれなかったことと、ストーリー展開、見せ場と見せ場をつなぐ細かいプロットも中途半端で面白みがないために、肝心のクライマックスでさえ眠気を催してしまうのです。
結局、盗まれた王妃の首飾りを取り戻すのが最大の任務になるクライマックスと、案外あっさりと悪女ミレディが海に落ちていくし、悪の親玉のようなバッキンガム公爵もなんとも寸アンリと本編から姿を消す。いったい何をどう描いて面白くしたいのか?疑問だらけの展開に参ってしまいました。

で、あっさりとハッピーエンドに終わった後に、ミレディを助け、船と飛行船の大艦隊を率いたバッキンガム侯爵がフランスを目指してくるところで映画は終わる。って、これだけの艦隊を率いていくら三銃士でも、フランス全土をあげても太刀打ちできないのは見え見栄なのだから、続編があるもないもないのではないでしょうか?

と、この手の娯楽映画にここまで描かなくても思いますが、ちょっと、これだけの大作で、ここまで散漫な作り方をしたのは手抜き過ぎるでしょう。