SAW ソウ DTSエディション | |
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オーストラリアのクリエイター二人が作った話題の映画「SAWソウ」を見てきたのです。
おそらく個人的には好みの映画ではないと知りながら、若干27才の監督がハリウッドをうならせたという作品を是非見てみたかったからです。
宣伝文句にもあるとおり、突然目覚めると鎖につながれて、とある密室につながれた二人の男。二人の間には死体が。そして死体の手にはテープレコーダーと拳銃。
さて、この状況から始まる奇妙な物語。私が想像していたのは「CUBE」のようなシュールリアリスティックな作品でした。
しかし、実際は純粋なサスペンススリラーなのです。謎解きのおもしろさをややスプラッターなイメージで描いていく密度の濃い内容の作品。それがこの「SAW」なのです。
以下、若干ネタばれにつながりますので、覚悟の上で読んでください。
なぜ、この二人はこんな状況なのかという謎解きもさることながら、どうやって彼らは逃げ出すのかという観客の心理。そして、実際に存在する犯人は誰なのか?どこにいるのか?観客は最期までこの謎を引きずりながら物語を追っていきます。
導入部が終わると、次にサスペンスフルなクライムストーリーに状況を移し、そしてその中に「セブン」のデビッド・フィンチャーを思わせるような展開を挿入するかと思うと、再度、謎解きに引き戻す。
彼が犯人か?と思わせて、実はこの男が・・・そしてやや想像はしていたのだけれども本当の犯人はどこにいたのかというクライマックスまで、一気に観客を引っ張っていくのです。
このラストシーンのネタは冒頭部分に余裕があれば気がついていたのかもしれないのに、そんな暇を与えずにどんどんストーリーが展開するために、いつの間にか監督の罠にはまってしまっているのです。
こうした手腕は見事。
自主フィルムを思わせるようなコマ落としのシーンを多用し、B級スプラッターのように見せながら、しっかりと物語を語っていく演出は頭が下がります。
とはいえ、さすがに最初から最後までちょっとスプラッターな雰囲気が消えずに私としては見た後はほっとしたという感じです。
おすすめ度は85点というところですね