期待の第四作目の映画、というかいよいよシリーズの全貌が見えてくる作品。
監督はさらに前作から変わって、マイク・ニューウェル監督。
第一作のクリス・コロンバスがお子様向け映画としてこのシリーズをスタートさせ、原作のファンとしてはちょっと物足りなかった。第三作目でアルフォンゾ・キュアロン監督に代わってようやくちょっと大人の映画になりかけたので安心したのであるが、今回のマイク・ニューウェル監督はちょっと履き違えているのではないかと思えるほどに完全に大人の映画に仕上げてくれました。
この第四作でいよいよシリーズのテーマ、悪の首領としてのヴォルデモート卿がよみがえります。すでに原作もさらに先に進んでいるのでいまさらネタばれでもないと思うのであえて書きますが、このヴォルデモート卿が復活したことでこのハリー・ポッターシリーズが単なる子供向けのファンタジーではないことがわかるし、最終章の第七巻までの一貫した物語の筋が見えて来るのです。
さて、今回の「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」作品としては今までのシリーズ同様平凡なできばえです。ただ、練りに練られたCGのシーンや一人一人の主人公たちが少しずつ成長してきているのだということの細やかな演出はなかなかしっかりと表現されているように思いました。
ただの仲良し三人組から、徐々にそれぞれが自分の人生や恋人や生き方、友情を確かめながら大人になってきたということが、もちろん原作にも描かれているとはいえ、映画としても伝わってきました。
大好きなエマ・ワトソン(ハーマイオニー)もちょっと大人の女性としてはっとするほどにきれいになったシーンも見せてくれるし、ロンもたくましくなってきた。実際、一番ガキっぽいのがダニエル・ラドグリフのハリー・ポッターだったりするからにんまりです。
これといってたわいのない映画とはいえ、やはりハリポタファンとしては十分すぎるほどに楽しめた作品でしたし、失敗作でもなければ、原作をぶち壊した映画でもない無難なできばえだったと思いますよ。
ハリー・ポッターと炎のゴブレット サントラ ロンドン交響楽団 by G-Tools |