くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「めがね」

めがね

かもめ食堂」の萩上直子監督、小林聡美ほか同じスタッフ、キャストでつづった癒し映画「めがね」

見た人の感想も非常に高いというのは、やはり、現代人はこの手のなーーんにもない映画、なーーーにもない世界にあこがれを抱いているのでしょうか?

物語は、与論島のとあるペンション?民宿????。とにかく、なんにもないところにやってきた一人の主人公小林聡美。結局最後まで彼女の名前さえもわからない。考えてみるとこの宿の主人の名前もなんとなくである。

ありそうで絶対にあり得ない世界、といえばいえる、いわば夢の世界なのです。

そんな、非現実的な世界へ浸ろうと誰もが映画館にやってくると、そこに展開しするのはなぜか、なにもしないことの最高の贅沢を味わう主人公達がいる。
それがまたいい。もたいまさこもいい。市川実日子もいい。とにかく、ゆっくりと時間が流れ、それでいて、なんか現実ではない。

前作「かもめ食堂」に比べて、それほど技巧的でもない画面づくりが、さらに作品の魅力を高めてくれます。だからこそ、日頃映画を見ない人も、この映画に引き込まれてしまうのです。

どちらかというと「かもめ食堂」は何かメッセージが強すぎた。ラストシーンでもたいまさこが開いたトランクの中に落ち葉がいっぱい・・などちょっとシュールな演出もみられたが、この「めがね」にはそんな嫌みさがないのがなんといっても好感。

静かに、そしてゆったりと・・そして夢の世界へ。誰もが求める究極の癒しのおはなしが、静かな海辺を舞台に展開します。好きですねこの映画。