くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「HERO」

HERO

特に映画として傑作ではない。名作になるほど、卓越した演出がみられるわけでも、うなるような映像が見られるわけでもない。
でも、だからこそいいのです。テレビドラマの映画版としてのおもしろさを徹底的に追及して完成した作品がこの「HERO」なのです。

もちろん、私はテレビドラマも大好きでおもしろかった。だからこそ、あのテーマ曲が流れ、レギュラーメンバーが登場し、木村拓哉が例の役柄で例の出で立ちで例の仕草ででてくるとわくわくするのです。それがいい。

映画だからと肩を張って、テレビではできないような傑作を作り上げようなんてするとおもしろくない映画になっていたと思います。

物語はこれといって取り上げるほどの物ではありませんが、推理ドラマとしてのおもしろさはテレビシリーズ同様本当におもしろい。謎解きのおもしろさと、木村拓哉松たか子のやりとりのおもしろさもしっかり受け継がれ、冒頭から引き込まれる展開である。

こうして改めて大きなスクリーンでみると、いかにこのシリーズの脚本が良くできていたのだと納得してしまいます。

気楽に足を組んで、暗闇の中で「HERO」の世界に浸りながら、にんまりしたり、笑ったり、ジンと来たりして、ラストシーンを迎える。
本当に映画って楽しい物だなぁと思う。すっきりして劇場をでることができた。

これが娯楽としての映画なのですよ。これがエンターテインメントですよ。
ああ楽しかった。