京極夏彦シリーズ第二弾の映画化「魍魎の匣」をみました。
とにかくおもしろい。前作が奇才実相寺昭雄監督だっただけに、今回原田眞人にかわって、あのまか不思議なお話がどんな映像に変わっているかとちょっと不安でしたが、冒頭から一気に引き込まれてしまいました。
時間を前後させ交錯させながら、徐々に一本のストオーリーに紡ぎ上げていく。しかも、椎名桔平、阿部寛、田中麗奈、堤真一それぞれが何とも個性的で、見事に役柄を演じてくれる。その一人一人が本当に魅力的なのです。これはもう、俳優と監督が一体になって大成功した典型なのではないでしょうか？
実相寺昭雄監督版の京極シリーズの世界とはまた一歩進んだ、そして、別の一面のあるいい作品に仕上がっていました。
今回は原作を読まずにいったのですが、是非原作を読んでみたいと思います。それに、京極夏彦にはまりような予感です。それほどに魅力的な映画になっていました。
特筆するのが田中麗奈の敦子ちゃんの何ともコミカルな中に、ストーリーにスパイスのように挿入される演技の数々にうならされてしまいました。そもそも田中麗奈は大好きな女優さんなのですが、そんなひいき目は全く関係なく、彼女の演技力に感嘆。彼女がいなければおそらくこの作品はワンランクダウンしていたのではないでしょうか？
物語は、かなり、異質なもので、原作を知らないので、映画のストーリーの範囲で書いてみれば、日本的などろどろした世界と、ゴシックホラーの寒々としたムードが入り交じって、そこに猟奇殺人事件が混ざり合うというなんとも一言で語れないほどの込み入った物語です。しかし、そんな複雑さを意図も見事に組み立てた原田眞人の脚本と演出にも頭が下がりました。
今一番のおすすめ日本映画ですね。秀作でした
