くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ウォーター・ホース」

ウォーター・ホース

私のような年代の人間にとっては、あまりにも有名な世界の七不思議ネス湖ネッシー
それは、まるで恐竜の代名詞のように使われているほどのネッシーという言葉ですが、もちろん、今となっては世界一有名なやらせ写真となっています。

そんなネッシーの逸話を逆手に取ったような壮大なファンタジーが「ウォーター・ホース

本当に凡々としたファミリー映画ですが、さすがに、最近のファミリー映画はそのCG技術の発達によって、壮大なスペクタクルに仕上がってしまいます。
背後に、戦争への避難も混じっているようですが、特にくどくどとメッセージを訴えるようなことはせず、淡々と物語を語っていく中で、さりげなく、ネッシーの真実のいきさつも挿入し、おとぎ話のようなアットホームな作品に仕上げたのは見事。

冒頭からラストまで、それほど肩もこらず、だれることもなく、といって、ファミリー映画特有の「トムとジェリー」的なコミカルな場面も随所に放り込んで、てんこ盛りに楽しませてくれる作品でした。

とはいえ、すでに、夢を追いかけたり、ロマンに胸を躍らせる時代は過ぎ去ったような気がして一抹の寂しさを感じたのは私だけでしょうか?

いまでは、スクリーンでは技術の発達で手作りの特撮などはほとんど姿を消し、あまりにもリアルな創造物が画面を覆います。現実の世界でも、なにもかもが契約と規則でがんじがらめになって、蟻の這い出る隙のないほどの生活を余儀なくされています。

曖昧さの欠如、夢の没落、そんな寂しさが見終わったあと胸に残る作品でした。