「ブレード・ランナー」「トータル・リコール」「マイノリティ・リポート」などの原作者フィリップ・K・ディックの「ゴールデンマン」の映画化「NEXT」を見る。
2分先の未来を予知できる主人公を中心に、テロリストに仕掛けられた核爆弾の脅威からアメリカを救おうとするサスペンスアクションです。
冒頭シーン、ラスベガスから主人公クリス(ニコラス・ケイジ)が脱出するシーンはまさに「マイノリティ・リポート」。
一瞬先を予知しながら、敵の動きの裏をかいて脱出。すでに「マイノリティ・リポート」や「ペイチェック」を見ているものにとってはこれといって斬新さはありませんが、それでも面白いです。
今までのディックの映画作品そのどれもが原作とはかなりかけ離れたものが多いらしいですが、この「NEXT」も同じく、原作では主人公はまさしくミュータントなのだそうである。
そんな改変はともかく、つぎつぎと一瞬先を予見しながら、そしてその予知能力を生かしながらの逃亡劇、そしてクライマックスへと非常にコンパクトなストーリー展開が進んでいきます。
まぁ、これといっての取り上げるほどのシーンはないものの、とにかくおもしろい。あきない。次はどうなる、次はどうすると物語の先を読んでいこうとしますが、一気にあっけなく終わるラストはちょっと寂しいですね。このラストを見ると、やはり短編の映画化なんだと納得してしまったりします。
とはいえ、フィリップ・K・ディックの多彩なアイデアの創出する才能には頭が下がります。