くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ジュノJUNO」

JUNOジュノ

こじんまりと公開された作品が、口コミで大ヒット、とうとう、アカデミー賞ノミネートと脚本賞を受賞した話題の作品「JUNOジュノ」を見ました。監督はあの「ゴーストバスターズ」のアイバン・ライトマン監督の息子ジェイソン・ライトマン。そして、主人公ジュノを演じる話題の女優さんはエレン・ペイジ

気楽な気持ちでセックスをし妊娠してしまったらしい主人公のジュノが、妊娠検査薬で検査する場面からはじまります。とにかく、この手のしゃれた映画にお得意のアニメ合成したタイトルバックと軽快なリズムのテーマが流れます。

お話は秋から始まって、約1年間を描くのですが、結婚もせずに妊娠してしまった娘を持つ父親の姿、継母の姿、姉、そして学校の友達のあっけらかんとした接し方が本当にさわやか。今までの作品なら、どこの国の作品でも大変大変と大騒ぎするのですが、実に淡々と本編へ進んでいきます。

本人が決めた解決法は当初はおきまりの中絶へ、しかし思い直した解決法はなんと子供をほしがっている夫婦に送呈するという物。

本編へ進んでからも、じめじめした物がほとんどなく、赤ん坊をもらってくれる夫婦の家に足繁く通うジュノの姿がなんとも初々しい。しかも、思春期の少女の微妙なあこがれが、その夫婦の夫に向けられ、それがまた、何とも切ない。
一方でセックスした相手への気づかない恋心が徐々に物語の面にでてきて、青春映画のラブストーリーが見えてくるあたりが本当にきれいです。

とにかくも特筆はエレン・ペイジのかわいらしさ。物語の中では16歳ということで、周りの俳優さんに比べ本当に華奢でキュート、おなかが大きくなってきてもそれがまた魅力的で本当にかわいらしい。淡々と自分の妊娠を受け止めて、幸せのために夫婦に譲ろうとする姿が健気。そして、その夫婦が破局を迎えようとすると、涙を流す姿もかわいらしい。

口コミから大ヒットした作品といえば、昨年の「リトルミスサンシャイン」がそうでしたが、アメリカ映画にはそんなサプライズがあるから見逃せませんね。

以上が映画としてこの作品を見た感想ですが、個人的にはなにかがおかしいです。産んだ子供を自分が育てないという感覚が当然のようにテーマにでてくる。人間は一体どうなってしまったのでしょうね。