くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「百万円と苦虫女」

百万円と苦虫女

蒼井優ちゃんの主演映画「百万円と苦虫女」をみる。

百万円が貯まるたびに次に街へ引っ越して新しい生活を続けていく一人の女性の物語。
その物語をきけば、かなり興味をそそられる作品です。
特に、期待もしていませんでしたが、蒼井優さんは好きな女優さんでもあるので、彼女見たさに出かけたという感じです

ルームシェアしていた男性に刑事告訴されて前科者になってしまった主人公が、自分を知る人から逃れある意味、無になるために百万円を貯めて家をでます。

海の家で働けば、やがて彼女に気を持ち始める若者に言い寄られ次の街へ。
田舎で農作業をすれば、村の人から珍しがられ村おこしのキャンペーンを頼まれるようになりまた次の街へ。
近郊の街でホームセンターで働き始める中で、今度はとうとう好きな人ができてしまう。

そんな、現代的なテーマの物語の中に、ひずみ始めた両親の姿やいじめにあいつづける弟の姿をかいま見せます。
特に斬新な映像を駆使するわけでもなく、といって、卓越した脚本でもない。きわめて平凡ながら、質はそれなりに高い作品に仕上がっています。

難をいうと、どうもリズムが乗ってこない。
全体の流れの中でリズムが確立されていないのは脚本にあるのか演出にあるのかはわかりませんが、そのあたりの欠点が最初は気になります。

とはいえ、物語が進むにつれ、それなりに引き込まれ、ラストを迎えます。
ラストは予想に近かったのですが、何せ、最後の相手は森山未来さんだから、悪人であるはずもなく、読めてしまうところがちょっとミスキャスト。

さらに、凡々たるラストにしないように無理矢理、分かれたままにして終わるのはちょっと、芸がないですね。
とはいえ、悪い映画とは思えません。見て損はしてないいい映画でした