ぁははあ〜〜と思わず笑いっぱなし、でも笑っている合間にも次のギャグがちりばめられて、大声を出して笑う暇もない、せりふの洪水、そんな楽しい映画がこの「インスタント沼」
主演は昨日から注目の麻生久美子である。
映画が始まったとたん、次から次から、駄洒落というか、アドリブギャグというか、ナンセンスというか、せりふの洪水で始まります。そしてあれよあれよとその一つ一つに反応しているといつの間にかこの映画の世界に引きずり込まれてしまう。
楽しくて楽しくて、次は何が起こるの、何が飛び出すの？どんな突込みが入るの？はは、と笑いながらも次の展開を見逃すまいと大声を出せない。
物語はなんだって？そんなこといちいち説明なんかしても、この映画の面白さは伝えられません。
ナンセンスなんですが、楽しいのです。吉本新喜劇のような即興ギャグのようで、ちゃんと脚本を練った上で、ギャグが飛び出してくる。
日ごろまじめな役柄しかしない俳優さんたちまで、ぶっ飛ぶようなギャグの連発。
そんな、楽しい笑の中に、映画として、一本のリズムがちゃんと繰り入れられているんですよ。
温水さんが繰り返し窓を見上げるたびにみる麻生久美子の場面のくりかえしのおもしろさ。ふっと、気を抜いたときに突然飛び出す、とんでもない展開。でもでも、そんなありえないようで、そこにはぜんぜん非現実的ではなくて、こんな毎日を送る人がいても全然おかしくないリアリティも存在する。
そして、ラストシーン、「ええええええ！」という仰天クライマックスを登場させて、思わず胸があったかくなってジーンとしてしまう。
「ぁぁあ・・・よかったなぁ」と思っているところへ、これでもかという突込みが入って、そして、映画は楽しいエンディングを迎えます。
三木聡監督作品はいままで一本も見ていないのですが、話題のドラマ「時効警察」、評判のよい「イン･ｻﾞ･プール」や近年話題の「転々」などを撮った監督さんです。
なんかはまってしまいそうな作風で、この映画ももう一度見に行きたいです、そしてもう一度笑って、ハッピーになりたい。
