こういう物語もあってもいいな。淡々とした平凡なお話、平凡な展開、でも些細な夢、些細なロマンスがあってもいいんじゃないかと思うんです。
この「おと・な・り」という映画、ミニシアターで大ヒットし、シネコンに拡大公開された作品です。麻生久美子、岡田准一、谷村美月など、私の好きな俳優さんがたくさん出ているし、どこかろ都会のロマンを描いたような物語に惹かれて見に行きました。
まるで、素人の家族ムービーのようなカメラワーク、そして、さりげない構図で非常に静かで凡々たる映像が続きます。
その中で繰り広げられる、ありそうでなさそうな、でもあったらいいな、という切ないラブストーリー。散文詩のごとくストーリーが続くにもかかわらず、最後までしんどくならずに見ることができました。
それにしても、谷村美月がなんともうまい。彼女が途中で登場し、ハチャメチャな関西弁の女の子を演じることで、平凡な物語にピリッとスパイスになって、だれるかもしれない展開を微妙に引き締めます。
さらに麻生久美子がなんとも魅力的でかわいい。こんな女の子が近くにいたら、惚れちゃいますね。
みおわって、ああよかったというほどためいきのでる秀作ではありませんが、これはこれで、見ても損のない映画だったかなと思います。