くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「PUSH 光と闇の能力者」

PUSH光と闇の能力者

ラッキーナンバー7」が結構好きな私はこの監督ポール・マクギガンの新作であるこの映画は結構楽しみでした。
しかし、公開が限られた劇場であり、クチコミも芳しくないのでためらっていたのです。

でも、万を帰して見に行ったのですが、これがなかなか掘り出し物でした。
ポール・マクギガン監督の個性的なスタイリッシュな映像作りを本当に堪能させてもらいました。

スローモーション、デジタル処理、手持ちカメラによる素人映像のような画面、スピーディな展開の中に見せる大胆なカメラアングル。次から次に映し出される美学に拍手でした。

物語は、それぞれのプロットを書いた紙を空中に放り投げて拾い集めた順番に読んだような、悪く言えばまとまりのない展開です。しかしながら、この細切れの展開がかえってこの映画の面白さに寄与していたんじゃないでしょうか?

それにしてもいったい主人公は誰なの?サスペンスフルな展開の中に見え隠れする謎解きはどうなるの?そんな、わくわくは「ラッキーナンバー7」で感じた感想と同じ。見終わってから、もう一回見直してみたくなるそんな魅力に満ちた作品でした。

もちろん、超大作でもないし、出ている俳優といってもクリス・エヴァンスダコタ・ファニングくらいが名の通ったキャストで、「XーMEN」のような派手なCGシーンもないのですが、限られた中での超能力戦の面白さはけっこう見ごたえありますよ。

もちろん、矛盾しているやん?とかはじめとちがうような?とかいう脚本の荒は見えるのですが、そんな欠点など目を瞑って単純に謎解きの展開を楽しめます。
エンディングも見事。ポール・マクギガン監督は将来アカデミー賞監督になるんではないかと思いますね。才能十分。