くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「台北の朝、僕は恋をする」

台北の朝、僕は恋をする

ベルリン映画祭でアジア映画賞を受賞した台湾映画である。宣伝を見たときからちょっとおしゃれなファンタジーかと思ったので見に行ったのですが、なんともいえないたわいのない作品でした。

モダンな映像で見せるラブストーリーというイメージなのですが、登場人物それぞれに余りにもリアル感、存在感がなさすぎる。あり得ない人物すぎるのです。もちろん、作品を作る上で、架空の姿を創造することはいっこうにかまわないと思うのですが、そういうのとは違う感覚なのです。それゆえに、全くのめり込めない。

出だしは良いです。主人公カオがパリへ旅立つべく彼女がタクシーに乗って去っていくのをじっと見送るシーンで始まります。ちょっと切ない導入部ですが、ここから展開するファンタジックな物語を想像させるほどの美しい画面でもない。

旅だった恋人に何度連絡しても応じてくれず、ようやくつながった電話の様子から、別れ話であるように思われる。そこで主人公はパリへ行く決心をし、フランス語を勉強すべく本屋で座り込んで毎日フランス語会話の本を読む。そんな姿を見初めた女店員スージーが次第に親しくなっていく。

一方、パリへ行くお金を工面してもらうために、ちょっとやばい仕事をしている気のいい不動産屋のおじさんに頼みにいくが見返りにパリへ運んでほしいものを頼まれる。
どうやら、麻薬のようであるが、一方でそのおじさんを見張るリアリティのない刑事のコンビ、おじさんの息子でどうしようもないバカ息子の登場とどたばた劇のごとく物語は進んでいくが、どれがどう絡んでいくという面白味もなく、結局、それとなくハッピーエンドになる。

本屋でカオとスージーがダンスをするシーンでエンドタイトルになるが、なにを評価して賞を受賞されたのか何ともわからなかった。
映像にせよ、ストーリー展開にせよ、どれをとってもかなりレベルは低いように思うのですが、まぁ、これからがんばりなさいという意味の受賞なのでしょうか。