くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ワイルド7」

ワイルド7

いったい、この羽住英一郎監督は面白い映画を作ってやろうとか、ちょっと普通と違った映像で楽しませてやろうとか、テレビとは違う面白さを劇場で味わわせてやろうとかいう野心はないのだろうか。平凡という名の退屈な映画というのに出会ってしまった。

原作は大ベストセラーのコミックであり、私のような世代にとっては名作という域に達している作品である。それを満を持して映画化、無茶な期待はなかったにせよ、それなりに見ごたえのある作品を望んでしかるべきだったのだ。しかし、つまらない。物語の構成、ストーリー展開の平坦さ、主人公たちの魅力のなさ、俳優達の演技付けが適当すぎて監督の粘り強い演技演出などまったく施されていない。だから本仮谷ユイカなどはダイコン丸出しだし、それ以外の役者もワンテイクでOKした程度の演技しかなされていない。その上ストーリーに工夫も何もないからまったくつまらないし、悪人も悪人にしては薄っぺら過ぎてリアリティに欠ける。クライマックスのやたら撃ちまくるだけの銃撃シーンもまるで子供だましである。

そんな中、深田恭子扮する謎のスないパー、決して作品の中で光っているわけではないが彼女をもっと面白く使ったらそれなりにもっと奥の深いドラマが見れたかもしれないのに、それもありきたりにさらりと流すだけで最悪。椎名桔平扮するセカイと本仮谷ユイカふんするこずえの親子の物語も希薄そのもの。もうどれもこれもなってないのには途中でばかばかしくなってしまった。

まぁ、深田恭子が好きなので彼女が死んだセカイのかわりに最後の最後にワイルド7に加わって颯爽と走り去ったからいいとしよう。

そんなわけで、この年末に最悪の映画に出会った気分である。