くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ホビット おもいがけない冒険」

ホビット

ロード・オブ・ザ・リング」三部作の原作「指輪物語」の物語を60年前にさかのぼる物語を原作にしたピーター・ジャクソン監督の新たなる三部作である。正直、やめて欲しいのであるが、ピーター・ジャクソンでもあるし、長いのを覚悟で見に行った。

たしかに、「ロード・オブ・ザ・リング」同様、壮大なファンタジー大作として完成されているし、冒険物語としては素直に楽しむことができました。ただ、前半部分のあれこれとした説明はやたらしつこいし、この手のファンタジーの嫌いな人には正直面倒くさい。もっとシャープな導入部で一気に本編へ入っていけばもっとコンパクトな作品に仕上がっただろうに、こんな3時間を遥かに越えるだらだらした大作にする必要があるのかは疑問。

物語は「ロード・オブ・ザ・リング」の主人公フロドの父ビルボ・バギンズが60年前を回想して語る形式になっている。当然、ビルボの冒険物語であるが、ガンダルフを演じたイアン・マッケランガラドリエルを演じたケイト・ブランシェットなどが60年前の姿のはずだが園あたりかなりメイキングでカバーしているのは否めない。いやもしかしたらCGでカバーしているのかななんて思ったりもする。

ビルボはガンダルフの申し出で、ドワーフの国を再興するための冒険の旅に出る。トロルなどとの激しい戦闘シーンが最大の山場で、終盤に「指輪物語」のきっかけになるゴラムから指輪をてに入れるくだりなども描かれている。

後半部分は確かに面白いが、前半は三部作の第一部のためか説明が長すぎて、退屈といえなくもない。「指輪物語」が原作も名作であり、不気味な指輪というカリスマ的なアイテムが物語り全体を覆いつくしているのでストーリーが哲学的に壮大に広がるが、この「ホビット」の物語はあくまで児童書として書かれた前日譚ゆえかストーリーの構成がシンプルかつ只のアドベンチャーで終始する。かろうじて「ロード・オブ・ザ・リング」を知るものにはそれなりに楽しめるが、初めてこのシリーズをごらんになったひとは、大作のわりに中身がないとがっかりするかも知れませんね。

でも、わたし個人的には終盤十分楽しみました。ただ、このまま第二部や第三部は見に行くのはめんどくさいというのが正直な感想です。