くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ベイマックス」「ホビット 決戦のゆくえ」

kurawan2014-12-25

ベイマックス
日本?の近未来を舞台に、癒し系のロボットベイマックスを開発した兄タダシの弟ヒロたちの冒険物語である。

宣伝フィルムをみたときから少し期待の一本だったが、宣伝フィルムで前面にアピールしていた、癒しロボットベイマックスのコミカルなエピソードは前半の一部で、後はバトル戦の映像がほぼ全体を占めているために、どこか、はぐらかされた感想になってしまった。

舞台は近未来、闇のロボット対戦で小遣いを稼ぐヒロには、大学でロボット専攻をする優しい兄タダシがいる。ある日、大学の研究室につれていかれたヒロは、そこで、大学を目指すことを決意、驚くような発明を発表するという入学テストに合格する。しかし、そのとき発表したマイクロボットが、利害中心の企業家クレイの目にとまり、手に入れようとする。その企てのせいか、事故が起きてタダシは死んでしまう。

タダシの死で落ち込んでいたヒロの前に、タダシが残した癒しロボットベイマックスが現れる。

やがて、マイクロボットを操り悪のカブキマンがクレイに復讐を仕掛けてきて、人々は危機に陥る。なんとカブキマンの正体はタダシの恩師キャラハン教授で、クレイの新しい瞬間移動装置の犠牲になった娘の復讐を企てているのだ。

そこで、タダシの友人たちがヒロを助け、事故の真相と、マイクロボットによる悪行を一掃するべく奔走するのが本編になる。

どこかでみたような風景、人物名、武器などなどが日本のアニメや、アメコミのパロディ的な味わいを見せ、風船のような愛くるしいベイマックスの姿とコラボして不思議なSFバトルになるのだが、せっかくのベイマックスの愛くるしさがほとんど導入部分のみで終わってしまったのが残念。

しかも、中盤以降は、どこかでみたようなバトル戦をアニメにしただけのオリジナリティのなさが、次第に目に付いてきて、結局、ハッピーエンドとはいえ、ちょっといただけないし、感動のラストになるべきところも、今一歩弱い。

もちろん、続編が作られるエンディングで終わるものの、手放しでのめり込めるほどおもしろくなかったというのが素直な感想です。

ベイマックスのキャラクターデザインをもっともっと生かしてほしかったと思うのです。


ホビット 決戦のゆくえ」
第一部、第二部の話はほとんど忘れているが、さすがに脚本がいいと、ほとんど混乱しないし、この最終章一本だけでも十分に楽しめるから見事なものである。

例によって、クライマックスが、CG満載の壮大な戦闘シーンとなるが、細かい個別の戦いと、全体のスペクタクルな戦闘シーンを巧みに使い分けた演出がすばらしく、決して、緩慢な派手なシーンにとどめないところは、ピーター・ジャクソン監督うまい。

というより、出だしからラストシーンまで二時間半ほどあるにも関わらず、一気に見せるストーリーテリングのうまさは「ロード・オブ・ザ・リング」同様にたいしたものであるし、映画としてもかなりのクオリティに仕上げられている。

この手のスペクタクルはどうしても人間ドラマが希薄になるが、そこも手を抜かずにきっちりと描いているあたり、余裕が感じられるのが良かったです。

恋の終演、主人公ビルボの心の葛藤までちゃんと演出されているし、「ロード・オブ・ザ・リング」に続く伏線もきっちり描いて締めくくられている。

アカデミー賞とまではいかないまでも、それなりの完成度の映画だと思う。ラストはストレートに感動してしまいました。