くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「五人の娘」「白毛女」

五人の娘

「五人の娘」
ちょっとおしゃれなラブコメディという作品でした。もちろん、舞台が中国のとある地方ということで、その衣装とか風習などが異国情緒満点のムードが漂うが、丁寧にプロットを組み立てた脚本が最後までだれることなく全体を貫いていくので、だれることがないのです。

物語は主人公の若者阿鵬が祭りの日に一人の女性金花と出会いお互いに引かれるが、名前だけを交換して分かれてしまう。

後日、金花がいる村へ阿鵬が出かけるが、なんと会う女性が金花という名前で、なかなか目当ての女性に出会わない。そんな中で行き違いや勘違いが行き交って物語が二転三転していくというストーリー。

当然最後はハッピーエンドであるが、せりふの合間に中国らしい歌が次々と歌われ、ある種のミュージカルのように進んでいくのがファンタジックで引き込まれてしまいます。たわいのない映画かもしれませんが、それなりにレベルのしっかりした一本でした。


白毛女(はくもうじょ)」
中国革命直後の映画の傑作といえばまずこの作品があがるらしい解説を頼りに見に行った。
基本的な流れは昨日みた「農奴」と同じで、領主に搾取される農民がやがてやってきた赤軍である八路軍に助けられてハッピーエンドになるという物語。

しっかりとした筋立てと、丁寧な画面づくりは「農奴」同様であるが、カットからカットの組立などの計算された映像の面では「農奴」の方がレベルが高いように思えた。ただ、格子の陰を使った画面づくりや、セットと実写の背景を巧みに組み合わせた演出はなかなかのもので、映画としてはハイレベルな一本だった気がします。

小作として暮らす主人公喜児には誰もが認める許嫁大春がいる。明日に結婚を控えた日、喜児の父が地主のところへ借金を返しにいったら、かねてより喜児に気のある地主の息子が無理難題をいって父に喜児を地主に売るように強要した契約に母音を押させる。

嘆いた父は自殺、喜児は地主のところへ売られるが、地主の息子は彼女を手込めにして彼女は妊娠する。そして息子の正式な結婚が近づくと一買いに売られそうになる。そこで喜児は逃げだし森にはいりそこで子供を流産。三年の間に髪は真っ白になり白女仙人として人々におそれられるようになる。

やがて八路軍に参加した大春が戻ってきて白女仙人が喜児とわかり、地主を懲らしめて二人はハッピーエンドとなる。

メッセージ性が全くないかといえば、そこかしこにやはり共産党万歳が見え隠れする。しかしこれは中国映画という国柄によるものであり、これを持って偏見を持つのはよくないと思う。映画として非常によくできた作品であり、昨日の「農奴」同様評価されてしかるべき一本だと思いました。