ダコタ・ファニングが薄幸の少女になって、人生の最後をめいっぱい生きようとするよくある前向き映画。その印象で見に行ったら、本当にその印象のまま立った普通の映画だった。いや、いまさらという展開にさすがに、まいったかな。ダコタ・ファニングは子供時代からそれほど好きではなかったが、そこそこに成熟し手も、あまり好みのタイプに変わっていかないですね。
映像にせよ、ストーリー展開にせよ、絵作りにせよ、脚本のおもしろさにせよ、それほど秀でたものがなく、淡々と物語が進む。
化学療法を拒み、ベッドの枕元の壁に書いた死ぬまでにする目標に沿って友達と実行していこうとしているところから映画が始まる。
アニメ調の背景の中を主人公テッサが走り抜けていくシーンでメインタイトル.CG全盛の中ではそれほど珍しい演出でもない。
友達のゾーイと万引きしたり行きずりのSEXをしようとしたりする導入部から、近所にきたアダムという青年と出会って、おきまりのラブストーリー。
ちょっとおバカな母親と一生懸命娘の治療に奔走しているキャラクターだが今一つ見えてこない父親、やたら毒のあるストレートな物言いをする弟、と人物の色分けをしているのに、全体が平坦に展開。いよいよとなって父親が号涙して、母親も弟も急に悲劇の関係者になって、見送られながらテッサは死んでいく。
なにがどう悪いというのもないのですが、何の変哲もない一本でした。