くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「きっと、うまくいく」

きっと、うまくいく

連続ドラマをほとんどカットせずにすべてつないだような、見せ場の連続の楽しい映画でした。本国ではもっと長いのでしょうか?インド映画得意のダンスや歌のシーンがほとんどないのは、ある意味で違和感さえ覚えてしまいました。

とにかく楽しいしおもしろい。一本の映画としての一貫性はまったくありませんが、次々と起こるエピソードの数々に引き込まれ、笑い、感動していきます。ただ、インド映画の楽しみの一つでもある、とびきりの美女がヒロインではないのが、ちょっと残念。でも、全編笑いと涙に包まれる娯楽映画でした。

映画が始まると、飛行場。これから旅行に行こうとするファランに電話がかかり、仮病を使って飛行機を引き返させ、電話の示す場所へ。そこはかつて青春をすごした大学。そこで、親友のラジューたちと会い、行方不明のランチョーを探しに行くところから物語がはじまる。

ランチョーの家に向かうシーンにフラッシュバックして、彼らの大学生活でのエピソードが次々と見せ場を作って描かれていく。
ランチョーは秀才で、かつ非常に頭の切れる人物として描き、その一休さん的エピソードを中心にお話が語られていく。

シンプルな青春ドラマで、一つ一つのエピソードが実におもしろい。

そして、ランチョーの家とおもっていた豪邸にやってくると、実はランチョーは偽名で、本物のランチョーは別人の大金持ちで、ファラン立ちの友人だったランチョーはその家の庭師の息子であったという展開で前半終了、後半へ進む。

では、彼らの友人だったランチョーはどこに?というお話が後半。そして、またまたフラッシュバックして彼らの青春が描かれる。

学長の娘とランチョーのラブストーリーが中心であるが、苦学生ラジューの自殺のエピソードや、学長の娘の姉の出産の場面など、感動的なエピソードが挿入される。ところどころに、説明不足な会話がちらほらするところをみると、かなりカットされているらしいのが伺える。

そして、ラストは、大人になり小学校の先生をしながら、たくさんの特許を持って成功したランチョーに再会して感動のラスト、学長の娘ともキスシーンが交わされて笑いの涙の中でエンディングである。

ところどころにインド映画ならではの身分制度の絡む会話が入ったり、登場人物それぞれが、宗教的にはある程度のハイレベルの存在であったりと、深読みすると、お国柄もあちこちに見受けられるが、外国人である自分たちとしては、素直に楽しめばいい映画だと思います。

終始、笑いは絶えないし、はらはらどきどき、ジンとくるシーンもふんだんにでてきて、約三時間ぜんぜん飽きない。もっと、ダンスシーンも残してほしかった気がするのは欲が深いでしょうか。でも、楽しいひとときでした。