くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」

「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」

もっとどぎついB級ホラーかと思っていたら、意外と押さえ気味の真面目な人間ドラマとサイコパスの映画だった。特に映像に工夫もなく、怖がらせの面白さもなく、動物ロボットが襲ってくるというある意味、普通の映画でした。どぎつさに慣れてしまったのかもしれず、その方が怖い感じです。監督はエマ・タミ。

 

一人の警備員が何やら必死で逃げている場面から映画は幕を開ける。換気口に潜り込んで追ってくる何者かをやり過ごそうとするがとうとう捕まってしまい、椅子のようなところに拘束され、機械が顔に迫ってくる。必死で椅子を外すネジを緩めるが間に合わず絶叫と共にタイトル。

 

一人の青年マイクが年の離れた妹アビーを起こしにくる。どうにもマイクになつかない風のアビーに辟易としながら警備員の仕事に向かう。しかし、男の子が男性に連れて行かれるのを誘拐と勘違いしてその男性に暴力を振るい首になって、職業相談所にやってくる。しかし、アビーの世話をしている関係で夜の仕事はできないと一旦帰るが、実はマイクの叔母がアビーを引き取りたがっていた。仕事がないままではアビーの親権を取られてしまうと思ったマイクは、職業相談所で提案されたフレディ・ファズベアーズというの店の夜の警備を引き受ける。

 

マイクがいない時はアビーはマックスという女性にシッターを頼んでいた。一方、マイクの叔母は、マックスがまた仕事で失敗すれば失職すると考え、マックスとその知り合いに、マイクの店に押し入って中を壊してもらうように依頼する。ところが、マックスらが入って暴れていると、突然中に置いてあった動物のロボットが襲ってくる。そして次々と殺害してしまう。

 

マイクは、店が泥棒に入られたとヴェネッサという女警官から連絡をもらう。シッターのマックスに電話するも出ないため、仕方なくアビーを連れて店に行く。そしてアビーは事務所で眠らせ、自分は片付けをし、その後仮眠をする。実はマイクは幼い頃、弟のギャレットが誘拐され、連れ去られる現場に遭遇、犯人を見つけ出すべく、夢で思い出す当時の場面を確認する日々を送っていた。

 

マイクが眠っている間に、アビーは一人店の中に行く。アビーの叫び声に目を覚ましたマイクが店に入ると、アビーは動物のロボットに囲まれて遊んでいた。ヴァネッサは、動物のロボットが深夜動き出すことは前から知っていたという。ロボットと仲良く遊ぶアビーを見たもののマイクは心配になる。

 

アビーは絵を描くことが好きで、黄色のウサギが子供たちと仲良く遊んでいる絵を描いていた。黄色のうさぎこそがギャレットを誘拐した犯人へのヒントだと思っていたマイクは、アビーに自分が夢の中で見る金髪の少年の絵を描くように進める。一方、マイクはヴァネッサに、動物のロボットについて問い詰めると、あれは誘拐された子供の霊と器具で固定された子供なのだと説明、しかもフレディ・ファズベアーズの店のオーナーは自分の父親だったと告白する。

 

マイクは夢の中で、金髪少年に過去のギャレットが誘拐されたことを無しにする代わりにアビーが欲しいと言われ、つい了解してしまうが、すぐに撤回したもののすでに遅かった。マイクは叔母にアビーを預けて店に向かうが、叔母を嫌うアビーは動物ロボットに誘われタクシーで店に向かう。ロボットたちはアビーもロボット仲間にしようとしていた。ヴァネッサは、ロボットを封じるには一時的な電気ショックが良いと言われるが、ヴァネッサは父である黄色いうさぎロボットに立ち向かえないからと店に行かなかった。

 

マイクが店に入ると、アビーはロボットに連れ去られるところだった。マイクは電気ショックでアビーを取り戻すが、反撃に会う。そこへヴァネッサが駆けつけ、アビーの描いた、黄色いウサギが悪者だという絵で、ロボットたちは黄色いウサギに襲いかかる。ヴァネッサは黄色いウサギに刺され重傷を負い、マイクとアビーと一緒に脱出する。ロボットたちは黄色いウサギ=ヴァネッサの父を倉庫の奥に拉致する。

 

全てが終わり、アビーはすっかり元気になって、マイクに親権も認められる。マイクはヴァネッサの入院している病院に行く。ヴァネッサは意識が戻らず寝たきりだった。ヴァネッサに感謝の気持ちを表すマイクの姿で映画は幕を閉じる。

 

展開にかなり無理がかかっていて、今ひとつスムーズに流れないままに、描こうとした内容が詰め込まれた感が強く、かえって殺戮シーンが際立たなかったように思います。もうちょっと丁寧に演出すれば面白いホラー作品に仕上がりになりそうな気がしてちょっともったいなかった。