くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「最後の脱走」「忠臣蔵 花の巻 雪の巻」

kurawan2015-06-09

「最後の脱走」
敗戦の後、満州に残された女学生たちの引き上げる物語を、アクション映画風に仕上げた戦争娯楽映画である。監督は谷口千吉

特に、変わったものはなく、普通の、いや、かなり適当な仕上がりの娯楽映画で、原節子がでているという、いわばレアものレベルの一本である。

物語は、日本軍に置いていかれた従軍看護婦の女学生たちが、荒野を逃げている。そこへ中国八路軍が現れ、彼女たちを捕虜にして、野戦病院で働かせる。そこに捕虜になっている日本兵士と一緒に、脱出をはかるのがクライマックス。

助監督に岡本喜八が入っているが、谷口千吉の色合いと比べるおもしろさを楽しめる一本といえばそうかもしれない。たわいのない娯楽映画だった。


忠臣蔵 花の巻 雪の巻」
東宝三十周年記念、忠臣蔵映画の決定版、原節子最後の映画である。監督は稲垣浩、オールスターで描く豪華絢爛たる絵巻映画である。

さすがに三時間半は長いが、ところ狭しと登場する当時の大スターをみているだけで、この映画を当時の観客が喜々としてみていたのかと思うと、どこか一体感を生んでうれしくなってくる。

正攻法で演出していく稲垣浩の手腕は、盤石であり、俳優たちの完成された演技が、物語に格調を生み出していく。ストーリーは今更いうまでもなく、あるべきエピソードを一つ一つ丁寧にスクリーンに再現していく。

古き日本映画黄金期の超大作、酔ってしまいます。これが日本映画の大作ですね。その意味で楽しい一本でした。